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アンティークコイン

ご挨拶

新緑が清々しい初夏を迎えまして、皆様におかれましてはますますご清祥のことと思われます。

皆様こんにちは。コインパレスの室田でございます。

本日は最近入荷したばかりのドイツのアンティークコインの名品の数々をご紹介させていただきます。

どうかご一読いただけますよう、よろしくお願いいたします。

時を超えて輝く芸術品——ドイツ黄金期アンティークコインの逸品たち

本日は、17世紀から18世紀にかけて発行されましたドイツコインの中でも希少性の高い名品4点をご紹介させていただきたいと思います。

その当時のドイツはハプスブルグ家の支配による神聖ローマ帝国の一部として繁栄を極めておりました。その繁栄と支配者の権威を強調するかの如く数多くの傑作コインが発行され、今日アンティーク・ドイツコインとして継承され、欧米の市場を中心として高値で取引されているものも数多く見受けられます。

緻密なコインデザインを特徴とする精度の高いドイツコインは、歴代君主たちの権力の象徴として流通していたものです。

コインと言いますと通常は丸形のいわゆる貨幣を連想しがちですが、その当時のドイツではクリッペと称される四角いコインも時折製造されていました。これは特別な機会に発行されていたもので、その当時としても他国のコインにはない珍しい造形美と芸術性に優れた真のアンティークコインとして我々の時代に継承されています。

まず最初にご紹介させていただきたいのは、1698年に発行されました6ダカット・クリッペ（四角型）金貨です。正方形という形状も驚異的ではありますが、それにも増して驚嘆に値するのはコイン表面に描かれているドイツの都市ニュルンベルクの美しい景観です。中世以降ドイツ中部の商業都市として繁栄を極めたニュルンベルクの往時の古雅な街並みを堪能することのできる当コインは、街の歴史的な威厳と共にドイツ人の心の故郷である同都市を金属上に描き出す第一級の芸術作品でもあります。

コイン正面向かって右上には若干の切れ目が見受けられますが、300年以上もの時を経たアンティーク品として一点ものならではの特徴と捉えられるべきでしょう。

第2のコインは、1700年発行の神の子羊と綽名される有名なクリッペ型8分の1ダカット金貨です。キリスト教の象徴とされる子羊が描かれており、その周囲にはビーズのような文様が綿々と連なっていて観ていて飽きのこないものです。

裏面の盾形の紋章も見事であり、この種のコインの最高傑作の一つでもあることから是非ともコレクションに加えられてはいかがでしょう。

そして第3のコインは、これもまた1700年に発行されたとされる神の子羊が描かれている2ダカット金貨です。こちらは通常の丸型コインですが、より繊細な描き方がコインマニア向きであり、丸型コインをお望みの方にはお勧め品です。羊毛の柔らかさまでもが忠実に再現されており、コインコレクターの心に安らぎを与えることでしょう。

そして最後のコインは、少し後の時代の1797年にドイツのメクレンブルク＝シュヴェリーンで発行されたこれもまた丸形の2ターラー金貨です。

表面の盾形の紋章とその上の王冠のデザインは、基本的にはイギリスのデザインと共通するものですが、いかにもドイツコインらしい格調の高さが必見です。200年以上の時を経たアンティークコインのみに見られる格調の高い描き方が最大の特徴です。そして裏面ですが、独特な字体の碑文が大変美しく、当時のドイツの高度なコイン製造技術を窺うことができます。

これらの名作から感じられることは、約200年から300年以上もの歳月を経た正真正銘のアンティークコインというものは実に味わい深いものであるということです。くすんだゴールドの輝きがデザイン部の繊細さを美しく再現しており、正に眼福であると言わざるを得ません。

今回ご紹介の4点は全て一点ものとしてのご紹介となります。皆様からのお問合せとご来店を心よりお待ち申し上げております。