HOME ＞ アンティークコイン ＞ ドイツ ニュルンベルク 1700 神の子羊 1/8ダカット クリッペ(四角)金貨 NGC MS67 FR-1894
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一般価格：878,900 円(税込)
会員価格： 799,000 円(税込)バロック音楽の大作曲家でもあった神聖ローマ皇帝レオポルト1世の肖像
1658年に若干18歳で神聖ローマ皇帝として即位したレオポルト1世。オーストリア大公、ボヘミア国王、ハンガリー国王を兼任し、その後1705年の崩御の年まで47年間にわたる長期在位を誇りました。ヨーロッパの強国の熾烈な戦闘として記憶されるスペイン継承戦争など、生涯にわたって戦塵の巷を駆け巡った印象の強い皇帝ですが、音楽と平和を愛し、実際に皇帝自身が生涯に作曲した作品数は300曲を優に超えると言われています。なぜ皇帝がとりわけ音楽を愛したかについては諸説ありですが、次男として生を受けたため元々聖職者としての教育を受けており、その一環として楽器の演奏や作曲の作法に触れる機会があったものと推測できます。そのため信仰心の篤い青年として成長した皇帝でしたが、同時に音楽的才能を開花させるに至りました。当時ヨーロッパ全土で上演されていたオペラの多くには皇帝自らが作曲した作品が紛れていたという逸話も残っているほどです。宗教音楽も多く作曲した皇帝でしたが、自らをバロック音楽の担い手と位置付けていた皇帝は、実際に当時を代表する大作曲家でもありました。ハプスブルグ家の歴代皇帝の中には文化・芸術の後援者も多く存在し、特に音楽の素養の有った人物も決して少なくはありませんが、レオポルト1世の場合は、父で神聖ローマ帝国皇帝であった父フェルディナント3世の影響が強かったのかもしれません。長男で皇太子であった兄フェルディナント4世が若くして世を去ったため、次男の皇帝が帝位を継承することになったのが経緯でした。18歳で即位した皇帝は1666年、26歳の時にスペイン王女マルガリータ・テレサと華燭の典を挙げます。神聖ローマ帝国の皇后となったこの高貴な女性こそは、現在マドリッドのプラド博物館に所蔵されている画家ベラスケスの最高傑作「ラス・メニーニャス＝女官たち」の中央に描かれていた幼き日の王女でした。新皇帝夫妻の結婚式は盛大に執り行われ、パレードや花火を含む豪華絢爛たるイベントが繰り広げられました。それらのイベントの中でも、音楽好きの皇帝の結婚式に相応しいオペラの上演の質は特筆すべき充実した内容を持つはずでした。1600年代初頭にイタリアのフィレンツェで誕生したオペラはその後、総合芸術として爛熟期を迎えますが、皇帝夫妻の結婚式当日のオペラ上演は2年後の流れてしまったものの、アルプス以北の国家での初の本格的な上演であったと伝えられています。当時のヨーロッパではイタリア人音楽家のオペラが盛んに上演され、空前の人気を博していました。イタリア人作曲家のアントニオ・チェスティもまた、その流れに沿ってハプスブルク帝国の首都であるウィーンに移住した作曲家の一人でした。皇帝の結婚式に際して上演されるはずであったオペラはチェスティが作曲しましたが、実際の結婚式には間に合わず、2年後の皇后マルゲリータの誕生日に初演を迎えます。壮麗豪華なオペラの所要時間は9時間を超え、そのために10万グルデン（金貨10万枚）もの莫大な費用が惜しげもなく費やされました。皇后自身も夫の音楽に対する興味を共有することのできる文化的素養の持ち主でした。この日上演されたオペラ「黄金のリンゴ=イル・ポモドーロ」バロック期最高の芸術的成果として後に伝説として語り継がれています。
ドイツの古都ニュルンベルクが誇るマニア待望の「神の子羊」四角型金貨
今回ご紹介させていただく作品は、コインマニアの間では「神の子羊」の別名で知られるレオポルト1世在位中の神聖ローマ帝国で発行された珍しい四角形の8分の1ダカット金貨です。英語圏では「ラムダカット」の名称で知られる当コインは、通常の丸型コインとは異なるクリッペ（四角型）と呼ばれる珍しい形状を持つユニークな作品ですが、当時の神聖ローマ帝国ではこの金貨を始めとして、同じ形状のコインが特別の機会に記念品として製造されていました。中世から脈々と続く伝統を保持する風光明媚なドイツの都市ニュルンベルクですが、16世紀には同都市初の都市景観図が製作されたという記録が残っています。残念ながらニュルンベルクの旧市街の大半は、20世紀ナチス・ドイツ時代の後半にイギリス・アメリカ連合空軍の爆撃によって大破され、その夢のように美しい町並みはこの世から永久に失われてしまいました。当コイン表面にはキリスト教の象徴として知られる左向きの子羊像が掲げられており、敬虔なキリスト教精神を象徴しています。聖書の中にも登場する子羊ですが、浮世に翻弄される弱者としての人間の象徴と捉えることも可能ではないかと思われます。子羊の周囲にはささやかな装飾が施されており、神聖ローマ帝国が生んだこの美しいデザインに風格を与えています。コイン裏面にはニュルンベルク市の紋章が掲げられており、中世以来商業都市として繁栄を極めた同都市の威厳を表出しています。レオポルト1世の在位期間は47年間と長期に及んだため、数多くのバリエーション豊富なデザインのコインが残っていますが、このクリッペ型の8分の1ダカット金貨はとりわけ稀少性と芸術性を兼備する屈指の名品として知られているものです。300年以上前に神聖ローマ帝国時代の古都ニュルンベルクが生んだ当コインは、ドイツ人にとっての心の故郷ともいえる同都市の在りし日の栄光を今日に伝える芸術性豊かな実物資産として21世紀にもたらされた正真正銘の希少品です。
品番 5806 鑑定番号 
8234524006
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会員価格： 799,000 円(税込)
グレード数 MS 67 タイプ クリッペ 重量 約0.4375 g 品位 約98.6%（Au） 表面 ニュルンベルクの紋章 裏側 神の子羊 発送元 日本国内から発送 -
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