HOME特集 > ゴチッククラウン

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夫の愛に包まれていた
幸せなヴィクトリア女王を描く
アンティークコインの金字塔

1837年に英国の女王として即位したヴィクトリアほど、数々のエピソードと共に語り継がれている英国王はかつて存在しなかったことでしょう。
当時若干18歳にして英国に君臨することになったヴィクトリアですが、その後の63年間にわたる治世は全世界に領土を拡大し膨張し続ける大英帝国の繁栄を見届け、国家と共に歩んだ貴重な時間でもありました。世界最大の帝国となった英国の女主人としての責務の遂行を陰で支えたのは、女王と同年に生まれ相思相愛の仲で知られた夫のアルバート公爵でした。妊娠と出産を繰り返していた結婚当初の女王に代わって執政を受け持ったのもまたアルバート自身でした。
しかし、愛を確かめ合い、帝国の繁栄に心血を注いでいた2人を待ち受けていたのは余りにも早すぎる夫の死でした。女王の絶望は深く、アルバート亡き後、実に50年近くに渡って夫の喪に服していたことはよく知られている事実です。「ゴチッククラウン」は女王の即位から10年目の1847年、この幸運なロイヤル・カップルが愛に包まれた生活を送っていた最中に発行された英国貨幣の金字塔とされる傑作です。

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174年の時空を経て遂にリマスターされる
ウィリアム・ワイオン畢生の傑作

1847年に銀貨として約8000枚が発行されたことが記録に残っている「ゴチッククラウン」ですが、その全貌は未だ謎に包まれています。

まず現在でも目にすることは殆どない金貨バージョンですが、実際の発行枚数は知る由もありません。現在、大英博物館が所蔵する一枚の実在のみが辛うじて確認されているに過ぎません。中世の建築様式として名高いゴチック様式を採用し、その独特の美感を19世紀ヴィクトリア朝の英国様式と融合させることに成功したのは、偏にデザインの生みの親ウィリアム・ワイオンの天与の才能の賜物であったとしか言いようがありません。初リリース以来、174年の時を経て当月世に贈られることになった初の本格的リマスター版は、現代ロイヤルミントが総力を結集して創造する英国モダンコインの理想の極致です。

2019年に誕生した人気コインのリマスター・シリーズ「偉大なる彫刻家シリーズ」の第3弾に選定された「ゴチッククラウン」こそは、天才彫刻家ウィリアム・ワイオンの才能を余すところなく伝えるコインの形式を取る芸術品に他なりません。

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多彩なラインアップに支えられる
究極のリマスター版待望のリリース

この度リリースされることになった同シリーズ第3弾「ゴチッククラウン」ですが、そのラインアップの豊富さに驚かされます。

実際には第1弾・第2弾と大差はないのですが、銀貨としての流通が一般的であった同コインゆえに、5種類の銀貨と共に金貨バージョンとして最大重量の5㎏のものを含む6種類のリリースが予定されていることは誠に喜ばしい限りです。まずオリジナル裏面のイギリス連合王国三国の国章を記した十字型の意匠を踏襲するデザインのものが先にリリースされ、来年以降には表面のヴィクトリア女王のポートレートを模したリマスター版が発行される予定とのことです。

2種の美しいコインセットも近々リリースされることでしょう。リマスター版の発行によってアンティーク・コインの金字塔「ゴチッククラウン」の存在が恒久化されることになるとは、何とも幸運な星の巡り合わせでしょうか。そしてまもなくその空前の幸運が我々のもとに静かに降り立とうとしています。