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エリザベス2世時代の3枚の記念貨が物語るモダンコインの未来

アンティークコイン

ご挨拶

皆様こんにちは。コインパレスの室田でございます。

秋風の吹き始めた今日この頃、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

20世紀から21世紀にかけて70年7か月間に及ぶ長期在位を誇ったイギリス連合王国並びに連邦各国の君主エリザベス2世が崩御されてからはや2ヶ月が経過しました。

前回(10月8日)、前々回(9月8日)のブログ配信では、女王の生前の功績を称えるとともに、その治世下において英国ロイヤルミントが発行した「モダンコイン」の名称によって一般に知られている現代コインの今後の資産価値、またコレクションとしての純粋な未来的展望を予測させていただきました。

この度はそれらのテーマに続きまして、モダンコインが内包する芸術性とコレクションとしての魅力を一層探求し、今後のコイン界におけるそれらの可能性を見極めたいと考えた次第でございます。

どうか最後までご一読のほど、宜しくお願い申し上げます。

 

 

70年間に及んだエリザベス2世の激動の治世

アンティークコイン

「女王の時代に繁栄を謳歌する」と古くから言われている英国ですが、70年もの長大なる年月を英国と共に歩み、その集大成を見届けた君主エリザベス2世の時代がこの2022年で終焉を迎えることになるとは、世界中の人々にとって想定外のことであったのではないでしょうか。

それもそのはず、現代に生きる我々の殆どにとって、生まれた時からエリザベス女王のみが英国の君主であり、今日まで真の意味において「女王」という名詞に値する世界で唯一無二の人物であったからです。

そのカリスマ性と超絶的な気品によって歴史上の伝説となったエリザベス2世ですが、その治世は実に波乱に満ちたものでした。

 

 

アフリカ・ケニアで即位の瞬間を迎えられたエリザベス2世

そもそもその即位の瞬間そのものが父王ジョージ6世の急死によって唐突に訪れたために、遠く離れたアフリカ・ケニアの地にて滞在中であった女王でさえも、まさか就寝中に英国の女王となっていたとは夢にも思わなかったことでしょう。

女王が即位した1950年代初頭の英国には未だ第二次世界大戦後の荒廃の跡が色濃く残っていました。

そのような中で晴れて迎えた即位と、それに続く翌年の戴冠式によって英国のみならず世界全体が歓喜に包まれるとともに、英国は老大国の尊厳を死守することを可能とし、かつての大英帝国の権威は再び世界に対して誇示されることになりました。

女王はその後、外国訪問を始めとする大小さまざまな公務の遂行によって英国君主としての絶対的地位を確立し、立憲君主国家としての英国の発展に著しい貢献を果たされました。

 

 

ダイアナ元妃の事故死、ヘンリー王子の王室離脱

1990年以降には王太子チャールズとダイアナ元妃の離婚とそれに続く元妃の事故死、更に2010年代以降は孫のヘンリー王子の王室離脱と海外移住など、度重なる王室スキャンダルにもかかわらず、女王個人に対する世論の評価はその後も高く、王室の権威は依然として衰えを知りませんでした。

その最大の理由としては、決して公私混同することのなかった女王の君主としての公務に対する誠実さが挙げられます。

 

 

エリザベス2世による数々の名言

女王ほどに自身の君主としての立場を弁え、求められている資質の実体を熟知していた人物は、長い英国史上においてそう多くはないことでしょう。

「私は、あなた方の信頼に値する人物となるために可能な限りの努力をするつもりです」との名言を常に口癖としていたエリザべス2世。

アフリカを公式訪問中、21歳の誕生日を迎えたばかりの女王は「私は、私の人生が長くとも短くとも、我々が属するところのこの偉大なる国家のために全人生を捧げることを約束いたします」と力強い宣言を行い、近い将来、英国王位を継承することになる自身の運命を完全に肯定し、周囲を驚嘆させ、また同時に感動させました。

女王の政務上の活躍に関しましては挙げれば暇が無い程ですが、一人の人間としての女王の魅力はその公的立場から若干封印されていた感があります。

上質なユーモアを巧みに操り、いかなる人物のいかなる質問に対しても即座に、また情感豊かに切り返す満面の微笑み見彩られた生前の女王の姿は、正に人間エリザベスそのものでした。

生まれながらにして頭脳明晰、またそれにも増して人心を深く理解する温かい心の持ち主であった女王ほどに、世界中の人々から愛されたセレブリティーはなかなか見出すことができません。

 

 

女王の96年間の歩みを刻むモダンコインの数々

アンティークコイン

去る9月8日午後3時10分、北部スコットランドに位置する王室所有のバルモラル城にて96年間の生涯を閉じた英国女王エリザベス2世。

生前の女王ならではの気品のある美しさや威厳、そして何よりも人間的な柔らかさと温かみは数多くの映像、写真、絵画、録音等の媒体によって永久に記録されていることと思われますが、それらに加えて70年間に及んだ女王の感動の治世を象徴する遺品として、夥しい数のモダンコインが現代に残されています。

それら一枚一枚の表面には、女王の治世下に英国ロイヤルミントが制作した全5種の肖像の内のいずれかが刻まれており、女王が生きた時代を、つまり現代英国史の変遷を君主の肖像という唯一の手段によって効果的にシンボライズしています。

 

 

モダンコインの今後とは

時に通貨として一般社会にて流通し、また時にコレクターの希少な所有物として金庫で眠り続けてきたそれらモダンコインの名品の数々は、女王の崩御とともに天上の所有物となってしまった感が無きにしも非ずです。

それはあたかも新作の陶磁器が時を経てヴィンテージ品となり、100年の時を経て真のアンティークとしての価値を獲得することと酷似しています。

それらのコインの残存枚数が今後、時間の経過とともに徐々に減少し、さらなる希少性を生むべき無限の可能性を秘めていることが容易に想像できることも確かです。

また余りにも長大かつ偉大であった女性の君主の時代の後に残されたものは、今後少なくとも3世代にわたって継承されるはずの男性君主の時代という現実であり、それ故に女王の栄光の在位が刻印されたモダンコインの名作の数々に今、世界が一層注目するのも無理のないことです。

また最近、現国王チャールズ3世の戴冠式の日程が2023年の5月6日と発表され、それに伴って新しいコイン上に刻まれる新国王のポートレートの公式発表も行われたところです。

これにより、前国王エリザベス2世の肖像を掲げるコインの製造期間も、残すところあと僅かとなりました。

 

 

伝説のモダンコイン①2002年発行「ゴールデンジュビリー記念貨」

アンティークコイン

数えきれないほど存在するエリザベス2世の治世下にて発行されたモダンコインの中でも一際光彩を放つ極め付きの3種の作品をここにご紹介させていただきたいと思います。

これらの稀有の作品は女王の時代を回顧する絶好の年代記であり、モダンコインの今後の真価を測る上で必要不可欠なものでもあります。

まずは2002年、女王の即位50周年の記念に発行されました「ゴールデンジュビリー記念貨」のご紹介です。

「馬上のエリザベス」の異名によっても広く知られているこの美しいコインは、1953年の戴冠式の記念に発行された珍しくも白銅を素材とする「戴冠記念貨」を彷彿させる女王の乗馬姿を裏面に描いているため、発行当時、脚光を浴びました。

馬は犬と並んで英国では人気の高い動物として知られていますが、移動手段としての重要性は元より、古来狩猟の友として英国人の生活を支えて来た長い歴史があります。

また、英国王室の華麗な儀式を彩る馬は君主制の象徴であると言っても過言では無く、在位50周年記念という千載一遇の機会を得て英国女王の風格をコイン上にて再現することに貢献しているように思われます。

「臣民に愛されし女王」という意味の格調高いラテン語碑文が一際目を引きます。

コイン表面も必見であり、当時76歳であった女王の哀愁漂う表情を余すところなく描き出したコイン肖像の秀作です。

女王の頭上に輝くのは、1821年に挙行されたジョージ4世の戴冠式に際して制作された「ステート・ダイアモンド・ダイアデム」です。

 

コインの詳細はこちら

 

 

伝説のモダンコイン②2012年発行「ダイアモンドジュビリー記念貨」

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ゴールデンジュビリーから10年の時を経て、2012年に在位60周年を迎えたエリザベス2世を讃えて発行されたのが次にご紹介させていただく「ダイアモンドジュビリー記念貨」です。

この作品は大変凝った内容を特徴とするものであり、まず表面にはゴールデンジュビリー記念貨発行時と同じく、この記念すべき瞬間を祝して制作された秀麗な美しさを誇る特別版ポートレートが描かれています。

「大英帝国とアイルランドの少女たちのティアラ」を頭上に戴き、超然の貫禄を見せる当時86歳であった女王の姿を鮮やかにコイン上に映し出すこの力強い肖像は、現代英国を代表する大彫刻家イアン・ランク・ブロードリーの美意識が織り成すコイン肖像の一大傑作です。

ティアラの煌めきや衣装のベルベットの質感までもが忠実に再現されており、平面的なコイン上に描かれているという事実を一瞬忘れさせるほどの職人芸を肌で感じ取ることが可能です。

コイン裏面には、女王の治世初の公式肖像として伝説化している1953年発表の「第1肖像」のリメイクが刻まれており、リリース時には半世紀以上もの時の流れを感じさせない写実性が改めて観る者を魅了し好評を得ました。

 

コインの詳細はこちら

 

 

伝説のモダンコイン③2015年発表「最長在位記念貨」

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2015年にヴィクトリア女王の63年7か月という史上最長在位記録を更新するに至ったエリザベス2世ですが、その年にリリースされた「最長在位記念貨」は、女王の在位期間に発表された全5種の公式コイン肖像全てを網羅するモダンコインの最高傑作の一枚として日の目を見ました。

コイン裏面に時系列にて連なるそれら5種の肖像は、現代英国が歩んだ長大なる時空を象徴する記念品としての不変性を物語る歴史的な大作です。

この斬新かつ大胆なデザインは、現代ロイヤルミントが世界に誇る実力派デザイナー、スティーブン・テイラーの芸術性豊かな才能の賜物であることは間違いありません。

そしてコイン表面には、大英帝国勲章受章者にして英国芸術院会員としても知られている世界的芸術家ジェームズ・バトラーによって新しく制作された感動的なポートレートが刻まれており、在りし日の女王の気品と君主としての威厳に対し無限の祝意を捧げているかの如くです。

その後も、65周年を意味する「サファイアジュビリー」、そして女王の生涯最後の一大イベントとなった70周年「プラチナジュビリー」等の公式行事の際に記念コインが発行されましたが、肖像の見事さに関しては上記3種のコインの出来栄えを凌駕するものは遂に出現しませんでした。

 

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エリザベス2世の3枚の記念貨が物語るモダンコインの未来

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これらのコインが女王の栄光の遺産として今後も受け継がれることは確実と思われますが、これら3種が70年間に及んだ治世下に発行された全てのモダンコインを代表する現代の王朝絵巻として現存している事実は驚嘆に値します。

生前既に生ける伝説であった歴史上のエリザベス2世の圧倒的存在感を恒久化するこれらの名作がいつの日かヴィンテージとなり、遂には100年の時を経てアンティークコインとなり得る可能性を秘めていることは現代に生きる我々にとっては喜ばしい限りです。

ここに、既に年代を経て熟成したアンティークコインには決して見られることのない、モダンコインならではの面白さと新鮮な感動を見い出すことができます。

現在の世界情勢を鑑みますと、今後も政治と経済は我々の予期せぬ方向へと向かって行く可能性があると言えます。

しかしそれ故に、地味ながらも着実に価値を上げつつある英国モダンコインに世界の注目が集まることは当然のことではないでしょうか。

またそこにこそ、歴史上において一世一代の名君と讃えられる故エリザベス2世の格調高い肖像を刻むモダンコインの普遍性と存在意義があるものと思われます。

我々の最後の切り札として世界に残るべくして誕生したエリザベス2世時代の貴重なモダンコインの数々。

現代の真の伝説であり勝利者でもあるエリザベス2世の、嫣然たる微笑みを湛えたそのコイン上のポートレートが、コインコレクターの輝ける未来を約束し、守護し続けることと思われます。

 

エリザベス2世を描いた全てのコイン

 

 

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