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特別コラム | ロイヤル・オペラハウスが約束する究極の劇場空間

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ご挨拶

皆様こんにちは。コインパレスの室田でございます。

清々しい空気と共に美しい初春を迎え、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

本日はロンドンの中心地コヴェントガーデンに存在する世界有数のオペラハウス「ロイヤル・オペラハウス」とその多彩な劇場空間を描写する文章をコラム形式にてお届けいたします。

どうか最後までご高覧のほど宜しくお願いいたします。

 

 

ロイヤル・オペラハウスが約束する究極の劇場空間

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ロイヤル・オペラハウスの外観 引用:the guardian

欧米の名だたる大都市には必ず一つは存在する第一級のオペラハウスですが、ロンドン屈指の劇場街コヴェントガーデンを本拠地とする「ロイヤル・オペラハウス」こそはイギリスのそれに該当し、今も英国における舞台芸術のメッカとして光彩を放っています。

英語圏屈指の劇場街として発展を遂げたコヴェントガーデンですが、いつしか街の名前は過去300年もの長きにわたって常にロンドンにおける本格的なオペラ上演のためのほとんど唯一の場所であり続けたこのオペラハウスそのものを意味するようになります。

実際に大半の英国人たちがこの劇場を「ロイヤル・オペラハウス」と呼ぶ代わりに「コヴェントガーデン」と呼び習わしてきたことがそれを端的に物語っています。

第二次世界大戦後の1946年にオペラハウスの運営母体が新たに「コヴェントガーデン・オペラ・カンパニー」の名称を用い始め、1968年までの長きにわたってその呼称を使用していたことも理由の一つかも知れません。

英国内においては疑う余地もない程に最も国際的かつ高水準のオペラ上演の中心地であり続けたこの劇場の原型は、ヴィクトリア女王の治世下の1850年代に劇場周辺を焼き尽くしたロンドン大火後の1858年に構築され、華々しい杮落し公演によって幕を開けました。

しかし、この街で最初にオペラが上演された記録はそれよりもずっと古く、ドイツから渡英した大作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルがこの地に根を下ろした18世紀初頭のイタリア・オペラ興隆期にさかのぼります。

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ロイヤル・オペラハウス2階に位置する「クラッシュ・ルーム」 引用:unique venues

宮殿と大使館に次いで最も公の場所と一般的に見なされることの多いオペラハウスですが、このロイヤル・オペラハウスも例外ではなく、今日まで貴族階級の公的な社交場としての重要な機能を果たして来ました。

英国王室の庇護の下に発展を遂げたことから特別に「ロイヤル」の称号を冠するに至ったこの格式の高い劇場の運営に当たって、過去には19世紀のヴィクトリア女王を始めとする歴代英国君主や高位王族がパトロンの役割を果たし、ガラ公演(正装での観劇が一般的な格式の高い特別公演)などの際には特別料金による収益金を見込んで王族自らが臨席することも多かったようです。

大英帝国の文化的成熟度を誇示しながら存続し続けたこの比類なき劇場が真の意味において国際的な評価を確立するのは第二次世界大戦後のことで、1961年に名指揮者サー・ゲオルク・ショルティ(1912-1997)が新音楽監督として就任し、1971年の退任まで10年間にわたって劇場の音楽的水準を飛躍的に向上させた時期に当たります。

それまでにもオペラの歴史に名を刻む綺羅星のごとく名歌手たちの競演が繰り広げられていたコヴェントガーデンの舞台ですが、音楽的水準を支える上で欠かせない専属オーケストラと合唱団のレベルが幾分低調であったことは否定しようのない事実でした。

ショルティが去った後、その芸術的遺産は英国人サー・コリン・デイヴィス(在任期間1971-1986)、オランダ人のベルナルド・ハイティンク(在任期間1986-2002)、そしてイタリア系英国人アントニオ・パッパーノ(就任2002-)ら世界的指揮者の活躍によって受け継がれ、英国最高のオペラハウスの名に恥じない高い芸術性が保持されることになります。

私がこの伝説のオペラハウスの真紅の絨毯を初めて踏んだのは1991年6月のことで、演目はオッフェンバックの唯一のオペラ「ホフマン物語」でした。

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ホフマン物語の有名なシーン 引用:MARK RONAN

他の国際的に著名なオペラハウス、例えばミラノのスカラ座やウィーンのシュターツオーパー、ニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスなどの名歌劇場の建築構造と比較した場合、正面玄関入ってすぐのフォワイエが非常に手狭なのが1990年代初頭当時のこのオペラハウスの最大の特徴で、社交の場としての実用性が欠落している感が否めませんでした。

しかし、それが逆にここを訪れる主要な目的であるはずのオペラに集中することを容易にしているのも確かで、複雑極まりない多面的な魅力を備えたこの風変わりな舞台芸術に没頭するには最適な環境を必然的に形成していると言えます。

またその狭いフォワイエの片隅には一応バーのカウンターが存在し、バーマンがたった一人で所狭しと並べられたドリンク類を熟練の技によってせっせと捌いている光景を目にすることも頻繁にありました。

当時、フォワイエの片隅には2階席に通じる階段があり、それを登り詰めますと先程のフォワイエの上階へと繋がっています。

そこには幕間のための予約済みのシャンパンと冷たい食事が用意されたテーブル席が設えられたヴィクトリア朝の装飾が目を引く大広間が広がっており、1階のフォワイエにはない真の社交的空気が濃厚に漂っていました。

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王室の紋章がデザインされた、ロイヤル・オペラハウスの幕 引用:anhistorianabouttown

私はその日、到着してすぐにオペラハウス内部の客席に直行しましたが、一階席の周囲にそびえたつ黄金色に輝く4層式のボックス席に取り囲まれて英国最高の劇場空間の晴れやかな空気にしばし圧倒されてしまったことを昨日のことのように記憶しています。

ゴールドで装飾された磨き抜かれた劇場のインテリアは壮観であり、天井の淡いグリーンとの絶妙な調和が場の空気に心地よい威厳をもたらしているように見受けられました。

舞台を彩る濃厚なボルドー色の緞帳の上部中央にはロイヤル・コート・オブ・アームズ(王室紋章)が刺繍されており、いかにこの劇場が他のオペラハウスとは異なり、世紀を超えて英国王室の庇護の下にあったかを物語っています。

そして舞台のさらに上部を見上げますと、アイボリー色の美しいスタッコ細工が広がり、その中央にはこのオペラハウスが開場した当時に大英帝国の宗主を務めていたヴィクトリア女王の右向きのポートレート型のレリーフが刻まれています。

この古式ゆかしく雅やかな劇場内部は、その後1997年から1999年にかけて行われた大改修の際に内部の美しい装飾はそのままに近代的設備が搭載されて生まれ変わり、21世紀に受け継がれる準備を無事完了しました。

しかし1990年代初頭の当時には、隣接するフローラル・ホールが未だオペラハウス本館と繋がっていなかったこともあり本館全体がヴィクトリア時代の空気をそのまま伝えるアンティークとしての風格を十二分に漂わせ、そこを訪れるものの美意識を満足させていたものでした。

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オッフェンバックの「ホフマン物語」は変転極まりない物語と幻想的な音楽を特徴とするオペラですが、私がコヴェントガーデンで観たこの1991年6月の公演はあらゆる面においてこのオペラの魅力を再現する理想的な上演となり、後々まで心に残る貴重な体験となりました。

主役の青年ホフマンの3つの失恋物語を一つにした他愛ないストーリーではあるものの、現実から夢への逃避、そしてまた現実への時空を超越した帰還をロマンティックな音楽が描き出すフランスオペラの佳作であり、コヴェントガーデンのようなこじんまりとした宝石箱のようなオペラハウスで上演するにはうってつけの作品であることは間違いありませんでした。

また当日の優れたキャストが上演の質を高めていたことは明らかでした。

主役のホフマンは公演当時63歳のスペイン人大歌手アルフレード・クラウスが歌い、相変わらず見事な歌唱力を披露して拍手喝采を浴びていました。

3人の恋人役のうち機械人形のオランピア役はその後、全世界を席巻することになる韓国出身の若きコロラトゥーラ・ソプラノ、スミ・ジョが歌ってカリスマ的歌唱力を披露していましたが、これが彼女のコヴェントガーデンにおける衝撃的デビューとなりました。

そして何よりも、今は亡き英国出身の名指揮者サー・ジェフリー・テイトが音楽全体に精彩を与えることに貢献していたように思われます。

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王室の紋章がデザインされた、ロイヤル・オペラハウスの幕 引用:Royal Opera House

舞台演出は「真夜中のカウボーイ」という有名なハリウッド映画で成功を収めた英国出身の映画監督で舞台演出家のサー・ジョン・シュレジンガーが担当し、表面的には極めてオーソドックスで幻想的な美しさを誇る舞台であったものの、随所に奇抜なアイデアを散りばめた斬新な内容が個性的でした。

1991年以降、二度の留学のために約10年間イギリスに滞在していた私ですが、1990年代初頭のコヴェントガーデンでは未だ世界的に著名な熟年のオペラ歌手や指揮者の客演が多く見られ、この英国最高の檜舞台を大いに賑わせていたものでした。

客席もまた豪華で、時折現在の英国君主チャールズ3世が1990年代には先妻のダイアナ妃を同伴して、また2000年代以降は後妻のカミラ王妃と共に、国王自身の大先祖に当たるヴィクトリア女王がかつて所有していた舞台向かって右側2階の舞台から数えて2番目の通称「ヴィクトリア女王のボックス席」に姿を見せ、オペラの公演に華を添えていたこともありました。

大学の寮から徒歩で20分程度の場所に位置するこの劇場でその後約30年間にわたって600回以上ものオペラ公演を鑑賞することになる私ですが、訪れるたびに常に感じたことは、ここが他のどのオペラハウスよりもこぢんまりとしていて居心地がよく、世界的な出演者を配する最高レベルのオペラを鑑賞するのに最適なオペラハウスであるということでした。

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くるみ割り人形の講演の様子 引用:LONDON UNATTACHED

客席から舞台が極めて近いこともあり、至近距離にて出演者の妙技に接する生々しい体験が後々まで記憶に残ります。

上演そのものの質に関しましてはオペラの中心地であるヨーロッパ各国の一流のオペラハウスのような高い総合点は決して期待できないものの、特に国際的なオペラ歌手や指揮者の出演が奇跡的に実現した場合に限っては世界最高水準に到達する上演が可能となることも稀にあります。

英国において最も国際的な芸術運営団体の一つであることは疑う余地のないロイヤル・オペラハウスですが、英国人にとっての外国文化の一種であるオペラがこのコヴェントガーデンの地に根付き、世紀を超えて21世紀に受け継がれている現場を目の当たりにすることは何にも増して歴史を肌で感じる貴重な体験に違いありません。

またそれによって現代に息づく英国の偉大なる過去をそこに見い出すことができることでしょう。

私の10年間の英国滞在は常にコヴェントガーデンでの生涯忘れ得ぬオペラ体験と共にあったと言えますが、今、遠く離れた地球の裏側の日本にてその当時の名舞台の数々に思いを馳せつつ、過去30年間にわたってコヴェントガーデンの舞台を彩った数百人に及ぶ名歌手たちの貴重な歌声が脳裏に蘇って来ます。

今後もここから新たな未来の伝説が世に羽ばたいて行くことでしょう。

そして英国屈指の名歌劇場としての権威が今後、幾世紀にも渡って継承されて行くことと思われます。

英国が世界に誇るこの愛すべきオペラハウスがコヴェントガーデンにて、現在のままの形でこの世に存続することを一オペラファンとしてただただ願わずにはいられません。

 

 

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