2024 チャールズ3世 「地球の物語コレクション」・氷河時代の巨獣たち 第2弾 ケブカサイ 50ペンスプルーフカラー銀貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

太古のロマンと学術的価値の双方を有する異色の実物資産

ロイヤルミントによる「地球の物語コレクション」・氷河時代の巨大動物は、太古の昔に絶滅した巨大動物に自然史学的なスポットを当てる新時代のモダンコインコレクションです。人間と共存しながら生き永らえていたそれらの巨大動物たちは、絶えず絶滅の危機に瀕しながらも時に当時の環境に順応し、小型化することによって生命を営んでいました。それらの動物たちが生きた時代は地球面積の大半が氷で覆われていたため氷河時代と呼ばれていますが、緑色の草で覆われた土地も大きな面積を占めていたことは確かであり、ケブカサイのような大型動物も大地の主役として生息していました。ケブカサイは更新世（258万年前から12000年前まで）後期にユーラシア大陸北部に生息していたサイ科の動物の一種です。マンモスやオオツノシカと並んで氷河期を代表する動物として知られています。全長約4メートル、体重は3、４トンと、大型動物ならではの体格を特徴としていましたが、このデータを元にした現代の骨格標本が再現され、遺されています。頭部に2本の角を有し、特に前方は長く鋭く、威嚇的な外観を特徴としていました。年齢を重ねた雄の中には1メートルを超す角を持つ個体も存在しました。その極めて個性的な姿を描写する旧石器時代の壁画も残っており、太古のロマンを現代に伝える重要な役割を果たしています。グレートブリテン島からシベリア大陸東部と広い地域に生息していたと考えられるケブカサイですが、ツンドラ地帯に生息する動物特有の暑い毛皮や熱を保つための小さな耳を持つなど、寒冷地に適応した様々な身体的特徴を備えていました。臼歯もまた、ツンドラ地帯の硬い草を食べるために高冠歯化していました。しかし、同時期にシベリア平原で生息していたマンモスなどの他の動物とは異なり、北アメリカ大陸からの化石の出土はありませんでした。そのためケブカサイがベーリング海峡を渡って移動していたことは考えられず、その理由は不明のままです。シベリア北東部では約3万年前に進出してきた人間と数千年間共存していましたが、氷河期末期に何らかの理由によって個体数が激減し、絶滅したと考えられます。今回ご紹介の作品は、過去に何度も絶滅の危機に瀕しながらも、ユーラシア大陸の大地の主人公として存在したケブカサイを裏面に描く新しいモダンコインです。長い牙を持つケブカサイの全体を描く当コイン裏面には、同時に化石標本のデザインも挿入されており、現代ならではの自然史学的意識の高さを窺うことができます。そしてより自然史学的な要素として、ケブカサイの学名Coelodontaの表記が挙げられます。また裏面下部にはWoolly Rhinocerosと英語名も刻まれています。コイン表面には、2022年の代替わりに際して英国王位を継承した現国王チャールズ3世の「公式第1コイン肖像」が掲げられています。ロイヤルミントの名匠マーティン・ジェニングスの人物描写の妙は、現代を代表するポートレートとの呼び声の高いこの作品において遺憾なく発揮されています。多分野において博識を有する国王の横顔が、自然史学をテーマとする当コインにある種の重厚感をもたらしていることは誠に喜ばしいことです。当コインは、現代人に太古のロマンを抱かせる秀逸なデザイン性によって、また学術的な標本の記録としても不変の価値を有する実物資産ということになります。