2018 スターリングシルバー・ブリタニア立像 箱付き

2000年間進化し続けた英国の不滅の魂を象徴する女戦士ブリタニア

過去約2000年間にわたり、英国の象徴として親しまれ、時にコインデザインの題材としてコレクターを魅了し続けて来た女戦士ブリタニア。古代ローマ時代にさかのぼるブリタニアの創造はローマ人たちの叡智と美意識の賜物であり、当時、帝国の属領として急成長を遂げつつあった現在のグレートブリテン島にこの女神と同じ名を冠したのもまたローマ人の想像力の成せる技でした。島をシンボライズする女神として成長を遂げたブリタニアは、やがて兜や槍を身にまとう勇敢な女戦士へと変貌します。フランスのマリアンヌやドイツのゲルマニアのように、ヨーロッパの大国にはそれぞれの国家を象徴する女神が存在しますが、ローマ帝国の最西端に位置し、北海の小国として頭角を現し、海洋覇権によって巨大国家へと華麗なる転身を遂げた英国のシンボルであるブリタニアは、海を象徴する存在でなければなりませんでした。それ故に、ブリタニアが手に持つ槍は、いつしか海を象徴する三又の槍トライデントに置き換えられるようになります。古代ブリテンにおいて脚光を浴び、流通貨のデザインとして登用されるほどの人気を博していたブリタニアでしたが、アングロサクソン人による入植の始まりと共に徐々に姿を消し、9世紀のアルフレッド大王の治世になりますと古代文化に対する憧憬の幻影でしかないほどに影響力を喪失します。しかし、ブリタニアの貨幣史上における活躍、特に英国貨幣史全体におけるそれは特筆すべきであり、古代以来、一貫して国家の栄光と共にあったその圧倒的な存在感は過去の英国コインに顕著であり、長大なる歴史を誇る英国の一大文化史を形成して今日に至ります。古代ローマ時代のコインに初めてブリタニアが描かれたのは紀元200年前後のことでしたが、ローマの属国ではない独立国家としての英国のコイン上に最初にこの女神が描かれたのは17世紀に王政復古を成就したチャールズ2世の治世下においてでした。その後、歴代王朝を代表する錚々たる名貨の裏面に姿を見せることになるブリタニアですが、この女神の真の伝説の誕生は20世紀後半を待たなければなりませんでした。公明正大な力強さと巧みな表現力によって現代を魅了した1980年代以降の英国貨幣界におけるブリタニアの再登場は、普遍的なブリタニア像に加えて、千変万化するバリエーションの豊富さによってその後全世界を魅了し続け、21世紀を迎えるに至りました。

スターリングシルバーの重厚感が醸し出す伝説の女神の偉容

2018年に制作されたスターリングシルバー製のこの立像は、英国の象徴として過去約2000年の長きにわたって愛され続けて来たブリタニアの普遍的な姿を余すところなく再現する芸術性豊かな作品です。素材としてスターリングシルバーの重厚感が醸し出すブリタニアの威圧的なほどの眩いオーラは、風になびく衣装が描く世にも美しいドレープとの絶妙な好対照を見せています。表面に見られる白銀の冷ややかな輝きが、英国の守護を司る気高き女戦士の全貌を効果的に浮かび上がらせています。右手にはお馴染みのトライデントを、そして左手には自身が守護する英国を暗示するユニオンジャックを描く盾を携え、国家を守護するのみならず、来る戦闘に備えて胸に抱く気概をも感じさせるほどです。豪華専用ケースを付属品とする当スターリングシルバー製ブリタニア立像は、過去にコイン上に描かれたブリタニアに魅了された経験を持つコインコレクターのみならず、英国文化と歴史をこよなく愛する全ての人々に贈られるべき、かけがえのない永遠の記念碑に他なりません。