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現代イギリス文学の仲間入りを果たした無名作家ローリングによる「ハリーポッター・シリーズ」

イギリスの女流作家J.K.ローリングによる「ハリーポッター」は、児童文学の域を超えたイギリスの小説として世界中の人々に愛され続けています。1997年にロンドンのブルームズベリー出版社がリリースした第1巻「ハリーポッターと賢者の石」は瞬く間にベストセラーとなり、傑作小説の仲間入りを果たしました。当時無名であったローリング女史は一躍時の人となり、この第1弾もまた老若男女を問わず、幅広い読者層を獲得しました。その後73か国語に翻訳され、全世界類型発行部数は2018年12月の時点において5億部を突破しており、イギリスの作家による小説シリーズとしては史上最も好調な売れ行きを記録した作品とされています。小説シリーズに加えて、2001年から10年の歳月をかけて8作品の映画が制作されましたが、全世界で公開され瞬く間に空前のヒットを記録し、この種のシリーズ映画としては歴代第3位の興行成績を収めました。ローリングによる小説版は当初全7巻の構想でしたが、ローリングは予定通りに完結編としての第7巻「ハリーポッターと死の秘宝」を世に贈り、同シリーズ小説版は惜しまれつつ一旦幕を閉じます。加えて2016年には本編の後日譚を扱った事実上の第8巻「ハリーポッターと呪いの子」が発表されましたが、これは2016年に舞台で上演された劇場版のリメイクであり、ローリング自身もこの作品を以って同シリーズの最終章とする旨を事前に発表していました。世界的な賞賛を勝ち得たハリーポッター・シリーズですが、とりわけアメリカ合衆国での評価は高く、ユニバーサル・オーランド・リゾート内のアイランズ・オブ・アドベンチャーにて映画版のセットを模したテーマパーク「ウィザーティング・ワールド・オブ・ハリーポッター」が公開されました。この企画は、2014年7月15日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン、2016年4月7日にはユニバーサル・スタジオ・ハリウッドにおいても公開され、空前の人気を博しました。2017年にはロンドンの大英博物館が特別展「ハリーポッターと魔法の歴史」をロンドンとニューヨークで開催し、2021年にはわが国日本の兵庫県立博物館と東京ステーションギャラリーにおいて銅特別展が開催され、こちらも大きな成功を収めました。

ロイヤルミントによるコイン化によって永遠の真価を発揮する「ハリーポッター・シリーズ」の最新作

独特な世界観によって多くの読者や映画の観衆を魅了してきた「ハリーポッター・シリーズ」。幼少時に両親を亡くしたハリー少年の物語は、11歳の誕生日を迎えると同時に大きく変化します。自身が魔法使いであることを知った少年は、ホグワーツ魔法魔術学校に入学すると同時に魔法界の存在を認識するようになります。亡き両親の友人たちに助けられながら成長を遂げるハリー少年の姿は、小説版、映画版を問わずどちらも新鮮な感動を見出すことができることでしょう。そして少年は、両親を殺害した張本人がヴォルデモート卿であるという事実を知り、その不思議な因縁を断ち切るために卿と対決せざるを得ない自身の因縁を悟るようになります。今回ご紹介させていただくコインは、モダンコインの「ハリーポッター・シリーズ」からの1枚で、作品に登場する「ブラック・レイク＝黒い湖」をテーマとするものです。作中に登場する黒い湖は、ホグワーツ城に隣接する湖のことですが、ホグワーツ魔法魔術学校の1年生たちは学校に向かう際にこの湖を渡るとされていますが、コイン裏面には作中における象徴的なシーンが芸術性豊かに描かれています。2022年9月のエリザベス2世の崩御に際して英国王位を継承したチャールズ3世。コイン表面には新国王の栄光の治世の幕開けを飾るに相応しい「公式第1コイン肖像」が掲げられています。20世紀から21世紀にかけての英国文学界を牽引した「ハリーポッター・シリーズ」ですが、当デザインのコイン化によってその名声が半永久化されるに至ったことは誠に喜ばしいことであると思えます。