2024 チャールズ3世 神話と伝説シリーズ第6弾 リトル・ジョン 2ポンド1オンスプルーフ銀貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

ロビン・フッドの無二の親友として物語に登場するリトル・ジョン

英国ロイヤルミント肝煎りモダンコインシリーズとして誕生した「神話と伝説シリーズ」。過去全5弾を数える同シリーズの個々のコインはどれも好評を博し、英国モダンコインの新シリーズとしては例外的な高評価を博しました。その理由は偏に歴史と伝説の宝庫である英国の偉大なる過去、また英国人の知性の象徴としての伝説上のキャラクターを取り挙げていることによります。その後英国から世界に紹介され、我々日本人にとってもなじみ深い人物がこの傑作シリーズに多く登場します。中でも英国にとっては永遠の英雄とされるロビン・フッドの伝説は別格であり、彼が織り成す弱者救済の物語はある種の普遍性を伴って今日なおも語り継がれています。ロビン・フッド自身に関しては、歴史書にも名前が載っていたり、「1241年没」という伝承もありますが、実在を裏付ける確かな証拠はどこにも見当たりません。そもそもロビン・フッドの物語そのものがある人物にまつわる伝承の寄せ集め的要素が強いものです。たとえば、英国内においてはヘリワード・ザ・ウェイクなどがそのモデルとして挙げられたり、13世紀のイタリアの無法者として知られるギーノ・ディ・タッコからもインスピレーションを受けた秒h差もあります。この現代モダンコインならではの名企画の最新作にして第6弾として取り挙げられるのは、ロビン・フッドの盟友にして軍隊の階級で言うと中尉とされる大男リトル・ジョンです。ロビン・フッドの「愉快な仲間たち」の一人として物語のほぼ全章に登場するこの森の大男は、ロビンが必要とするときには彼をサポートする頼もしくも怪力の持ち主として描写されています。そして物語の最終章においては、親友ロビンの遺言を守り、彼の弓矢と剣を彼の遺体と共に埋葬する特権を与えられる存在として強い印象を読者に与えます。

「リトル・ジョン」を描く史上初の英国モダンコイン

王侯貴族などの特権階級と庶民を代表するロビン・フッドが織り成す勧善懲悪劇として展開するこの物語は、中世以降、数多くの脚色によって紹介されていますが、現代人が抱くロビンのイメージの構築に著しい貢献を果たしたのは、ヴィクトリア期の1883年に発表されたハワード・パイルの著作「ロビン・フッドの愉快な冒険」ではないかと思われます。今回ご紹介させていただくコイン裏面には、伝説上のシャーウッドの森を駆け抜けるリトル・ジョンが、象徴的な長いこん棒を携えて佇んでいる象徴的なシーンが描かれています。六尺もある長い棒を携えた勇壮なリトル・ジョンの姿は、英国の真の伝説として受け継がれてきたロビン・フッドの物語を恒久化するに相応しいものです。英国人なら老若男女を問わず誰でも知っているロビン・フッドの物語であり、リトル・ジョンもまた然りですが、当コインのデザインとして取り挙げられたことによって改めて真の伝説になったと言えます。コイン表面には2022年の代替わりに際して新国王として即位したチャールズ3世の「公式第1肖像」が掲げられています。その頭上に王冠の類は見当たらず、物憂げな独特の表情を見せる国王の左向きの横顔のみが格調高く浮かび上がります。現代ロイヤルミント最高のデザイナーの一人であるマーティン・ジェニングス氏が想像力を結集して制作したこの傑作ポートレートは、英国貨幣史の新時代を象徴する貴重な作品でもあります。偉大なる現代と過去が共存する当コインは、過去の英国の魅力を万人に伝えるべく創造された一種のオマージュと見なされるべきかもしれません。