2024 チャールズ3世 「007の60年」ボンド映画記念シリーズ第5弾 「2000年代」 100ポンド 1オンスプルーフ金貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

主役ジェームズ・ボンドの圧倒的存在感によって世界的な評価を確立したスパイ映画の金字塔

「ドクター・ノオ」の通称で知られる第1作「007は殺しの番号」の公開以降、半世紀以上にわたってスパイ映画の最高傑作としての名声を築き上げた映画「007」シリーズ。その人気の秘密は、手に汗握るスリル満点のアクションシーンに加えて、偏に主役を務める秘密諜報員ジェームズ・ボンドの魅力的な人物像の賜物であると言わざるを得ません。また、各映画の初公開時に話題をさらったボンドの秘密兵器の数々は、ボンド俳優の名演技も相俟って名場面の数々を強烈に印象付け、映画「007」ならではの多彩な魅力を全世界の映画ファンに十全にアピールしました。映画界を代表する6人の名優たちによって60年以上にわたって演じ分けられたボンドの役柄は、それぞれ解釈は異なるものの、有能なスパイとしてのみならず、一貫して理想的な人物を描き出し、同シリーズの伝説に貢献しました。とりわけ作中にて純英国紳士として描写されていたボンド像は、初代ボンド役を務めたショーン・コネリーを筆頭として、その後に続く名優たちによって巧みに演じられていたことがいつまでも記憶に残ります。シリーズが幕を開けた1960年代といえば、人々の生活は未だ多分に因襲的で、古い時代の伝統を踏襲する要素が生活全般に浸透していた時代であったことでしょう。そのような中、突如として銀幕上に意気揚々と姿を見せたボンドと、そこで初めて披露された彼の華麗なるライフスタイルは、斬新ではありながらも時代を超えて受け継がれるべき普遍性を兼備した永遠の男性像の具現と映りました。一例を挙げますと、ボンドがシリーズにて身にまとっていた白の上着と黒のスラックスの組み合わせのタキシード・スタイルは、同シリーズの継続によって一般社会においても定番化し、それまでの変わり映えのしない黒一色の略式礼装を大いに変貌させた功績は多大です。愛車アストンマーティンDB5に乗って颯爽を世界を駆け抜けるボンドの姿は、単なるスパイの一典型の域に止まらず、人間の理想像を銀幕上に刻印しました。

ボンドの秘密兵器「ホバークラフト」を描く「映画007の60年」コインシリーズの第5弾

これまでに公開されたボンド映画は全25作に上りますが、60年を10年ごとに区切り、作品の全貌をコインによって俯瞰するという壮大なる企画として発表されたのが、英国ロイヤルミントによる「映画007の60年」と題された新たなモダンコインシリーズです。数年前には同シリーズの先行作品としてのセットコインがリリースされていましたが、それらにも増してボンド映画の多妙味を紹介するこの度の企画は、過去60年間に及んだ同映画シリーズの成功を英国の普遍的遺産と捉えるものであり、ロイヤルミントの英国文化に対する造詣の深さを感じさせるものです。この度第7弾を迎えるに至った全7種によって完結予定の同コインシリーズですが、コインの裏面には、2000年代を代表する傑作として知られる2002年公開の「ダイ・アナザー・デイ」にて披露されたボンドの秘密兵器「ホバークラフト」が描かれています。これは圧縮空気を下向きに噴出することで浮上航行を行うことを可能とする高速船で、船舶ではあるものの水陸両用として英国で開発されました。シリーズ全体を通じて定着していた感のある秘密兵器の登場シーンですが、当コイン上に描かれた「ホバークラフト」の意匠は、2000年代のボンド映画を記念するコインに捧げられるにふさわしい究極のオマージュです。コイン表面には、2022年以降、流通貨を含めて英国貨幣の新たな顔となったチャールズ3世の「公式第1コイン肖像」が堂々と掲げられています。世界中を感動の渦に巻き込んだボンド映画を創造した半世紀以上の歳月は、国王が人として生きた年月でもあり、ボンド映画が一世を風靡した一時代でもあり、何よりも英国にとっての現代でした。そして、当コインの裏面を飾ることになった秀逸なデザインは、今後長くにわたって20世紀初頭の現代英国の年代記としてのボンド映画の重要性を世に伝える貴重な役割を果たすことと思われます。