2024 チャールズ3世 「007の60年」ボンド映画記念シリーズ第4弾 「1990年代」 100ポンド 1オンスプルーフ金貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

過去半世紀以上にわたって全世界を魅了したスパイ映画の金字塔

1962年の初公開以降、半世紀以上にわたって映画ファンを始めとする世界中の観衆を虜にした超娯楽大作「007」。その原点となったのは、イギリスの作家イアン・フレミングが1950年代に生み出した架空の秘密情報部のエージェント、ジェームズ・ボンドを主人公とする作品群であり、12の小説と2つの短編小説がその源流となります。1960年代初頭にフレミングの小説を読んだ後の映画版プロデューサー、アルバート・R・ブロッコリは、同作品の映画としての成功を確信し、その映画化に向けて奔走します。小説発表の約10年後に公開された映画第1作「007/ドクター・ノオ」は、それに続く一連のいわゆる「ボンド映画」の基礎を確立した屈指の名作であり、スパイ映画の金字塔として同シリーズのその後の方向性を明確に示唆した点も高く評価されています。全25作品において7人の名優が主役のボンドを演じ、それぞれが個性を存分に発揮しながらもカリスマ的なボンド像を確立するに至ったことは驚異的ですらあります。また映画シリーズを特徴づける主要な要素として、作中におけるダイナミックなアクションシーンの挿入とボンド自身の華麗なライフスタイルの演出効果が挙げられます。息もつかせぬアクションシーンの連続は、ボンド映画の真骨頂として全25作を通じて観衆に感動と興奮をもたらしましたが、新作が発表される度に新規で紹介される秘密兵器はそれらの名場面において効果的に用いられ、主役のボンドの圧倒的存在感を印象付けるのに一役買っていました。作中において魅惑的なスパイとして描写されるボンドの華麗なライフスタイルは半ば伝説化していますが、同シリーズの根底に一貫して流れる共通のテーマと見ることもできるそれらの名演出の数々は、シリーズものとしての成功を左右する重要な要素でもありました。非常に個性の強い英国紳士として描写されることの多かったこれまでのボンドですが、洗練された衣装を始めとするボンドをボンドならしめる不可欠な要素が綿密に吟味され、銀幕上にて惜しげもなく披露されていた点は壮観の一語に尽きます。一例を挙げますと、映画の公開以前には男性の略式礼装としてのタキシードは上下黒が主流であったにもかかわらず、作中においてボンドが上着のみ白のタキシードを頻繁に着用したことから普遍的な男性ファッションとして世に取り入れられることとなったことはよく知られています。これは、007シリーズが単なるアクションシーンを売り物にする低俗な映画シリーズではなく、洗練された娯楽大作としての地位を確立した史上初のスパイ映画シリーズであるという自負心を戦略的に誇示した結果であると見ることもできます。

90年代の興奮と感動が伝わってくるモダンコインシリーズ「映画007の60年」の第4弾

英国貨幣のお膝元として過去1100年以上もの年月をコインの鋳造に捧げてきた王立造幣局（ロイヤルミント）。そのロイヤルミントによって「映画007の60年」と題された全7弾の新コイン・シリーズの発表が予定されていますが、第1弾がリリースされるや否や例外的な注目を集め、今やモダンコインの傑作としての地位を固めつつあります。1962年の初公開以降、62年間もの歳月において成功を収めた映画007ですが、当コインシリーズは過去3回にわたってそれぞれ60年代、70年代、80年代と、同映画シリーズの10年ごとの記録的な成功に対するオマージュとして発表され、コイン上にその軌跡を刻んできました。今回発表される第4弾は、それらに続く90年代にスポットを当てます。1990年代には、ピアース・ブロスナンを主役とする3作が制作されましたが、どの映画も傑作の誉れが高く、シリーズ全体の中核を成しています。今回ご紹介させていただく作品の裏面は、90年代の幕開けを飾った第19作「ワールド・イズ・ノット・イナフ」にて登場して注目を集めた秘密兵器「スピードボート」の全貌を浮かび上がらせています。作中ではロンドンのテムズ川での超高速移動のシーンが象徴的であったこの機器ですが、コイン上ではあくまでもスマートに描かれており、作品を観た人もそうでない人も同時に楽しめるものとなっています。コイン表面には2022年のエリザベス2世の崩御によって英国王位を継承した現国王チャールズ3世の美しい第3肖像が掲げられています。チャールズ国王の過去は、映画007シリーズが国際的な賞賛を集め、世界に愛され続けた年月とほぼ同時期にあたります。国王陛下御自身もきっとご覧になったことと思われる映画007ならではの生々しい感動を、現代感覚漲るモダンコインによってご堪能ください。