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現代屈指のファンタジー作品の草分け的存在としての「ハリー・ポッター」シリーズ

「ハリー・ポッター」は、J.K.ローリングによるイギリスの小説シリーズとして今日なおも世界的に絶賛され続けています。第1巻「ハリーポッターと賢者の石」がロンドンのブルームズベリー出版社から1997年に発行されるや否や大ベストセラーとなり、全く無名の新人による新作であるにもかかわらず高評価を獲得しました。児童文学の性質を有する同シリーズですが、その枠を超えた超人気作として世界的な社会現象を生み出しました。その後73か国語に翻訳され、その全世界類型発行部数は2018年12月の時点で5億部を突破しており、史上最も記録的な成功を収めたシリーズ作品となっています。さらに2001年から2011年にかけて8作品の映画によって世界的に公開され、最終的にシリーズ映画としては歴代第3位の興行成績を収めました。書籍版は当初から全7巻の構想でしたが、第7巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」が2007年7月21日に発売され、堂々の完結となりました。さらに2016年には、本篇の後日譚を描いた事実上の第8巻「ハリー・ポッターと呪いの子」が発表されましたが、これは2016年に上演された劇場版の脚本を書籍化したもので、ローリングはこの作品をシリーズの最終巻、または完結編と位置付けました。アメリカ合衆国での同作品の人気もすさまじく、ユニバーサル・オーランド・リゾート内にあるアイランズ・オブ・アドベンチャーに、映画版のセットを模ったテーマパーク「ウィザーティング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がグランドオープニングを迎えました。さらに2014年7月15日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン、2016年4月7日にはユニバーサル・スタジオ・ハリウッドでも開園し、大盛況を博しました。2017年、大英博物館が企画した展覧会「ハリー・ポッターと魔法の歴史」がロンドンとニューヨークで好評を博し、さらに日本でも2021年より兵庫県立博物館と東京ステーションギャラリーで開催され大きな成功を収めたことは記憶に新しく残っていることでしょう。

英国らしさが横溢する「ハリー・ポッター」コインシリーズの最新作の登場

ハリーポッターの独特な世界観はこれまでに世界中の多くの人々を魅了してきましたが、その魅力は少年ハリーを中心に展開される物語の壮大さによるところが大きいようです。赤ん坊の時に両親を亡くしたハリー少年は、11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを自覚するようになります。その後、ホグワーツ魔法魔術学校へ入学し、それまで知らなかった魔法界の存在を知り、亡き両親の友人を始めとする多くの人々に助けられながら、それらの人々を通じて成長していく過程を描いています。そして遂には両親を死に追いやったヴォルデモート卿と自分の不思議な因縁を知り、対決しなければならない運命を悟ります。今回ご紹介させていただく作品は、同シリーズの中でも特筆されるべき「翼の空飛ぶ鍵」がクローズアップされています。空飛ぶ鍵に導かれて天空を駆け抜けるハリー少年の姿が印象的に描かれていますが、空想小説の草分けとしても高く評価される同シリーズならではの躍動感を感じさせる秀作です。コイン表面には、2022年の代替わりに際して英国王位を継承した新国王チャールズ3世の「公式第1コイン肖像」が描かれています。ロイヤルミントの名匠マーティン・ジェニングス氏が創造したこの偉大なるポートレートは、チャールズ国王のありのままの姿を再現する写実的な大傑作であり、歴史上の人物として描いたものではなく、人間味あふれる情感を最大の特徴とするものです。肖像の周囲には「神の恩寵による国王チャールズ3世」と定型の碑文が連なり、王位継承者としての国王の威厳を湛えています。現代英国屈指の傑作シリーズとして映画と小説の両分野において大成功を収めた「ハリー・ポッター」シリーズ。今や英国文学の仲間入りを果たしたと言っても過言ではない同シリーズですが、今後の継続的な人気はほぼ確実と思われますが、何よりも英国らしさが横溢する作品としてのさらなる期待は大きいと思われます。