2023 チャールズ3世 「007の60年」ボンド映画記念シリーズ第2弾 「1970年代」 10ポンド5オンスプルーフ銀貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

個性豊かな6人の名優達によって代々受け継がれてきた永遠のジェームズ・ボンド像

過去60年以上にわたって、物語の舞台である本国英国は元より、世界中の観衆を魅了してきたスパイ映画の金字塔「007シリーズ」。1962年に公開された第1作「ドクター・ノオ」と、それに続く第2作「ロシアより愛を込めて」の空前の成功を筆頭に、これまでに25作品を継続的に発表し、スパイ物の一時代を築き上げました。イアン・フレミングによる原作の小説版とはかなり異なる映画版ならではの個性は、ひとえに主役のジェームズ・ボンドの圧倒的存在感と魅力的な人物像によるところが大きかったといえます。ボンドを中心に展開する物語の多彩な描写は、回を重ねるごとに見応えのあるものとなり、観客を狂喜させました。過去25作品を通じての共通点として、まず第一にボンドの華麗なライフスタイルの演出が挙げられることでしょう。作中において純英国人の独身男性として描写されていたボンドですが、それを強烈に印象付けるファンションや生活空間を彩る小道具の数々は、銀幕の主役であるこの架空のヒーローに実在感を与え、各映画の公開後には常に新たな伝説として受け止められていました。ファッションのみについて例を挙げますと、ボンド映画誕生以前の欧米での男性用略式正装の慣例としては上下ともに黒のタキシードの着用が一般的でしたが、白のタキシードジャケットと黒のパンツの斬新なコーディネートは、作中においてボンドが頻繁に着用していたことにとって社会的に定着しました。また、ボンドが作中において時折愛飲していた特製のマティーニもまた、数多くのボンド映画の名場面を彩り、今日定番化しています。マティーニと言いますと、通常ジンとベルモットを混ぜて作られるカクテルを指しますが、作中ではウォッカベースで作られ、混ぜずにシェイクしたものを好むというボンドならではのこだわりをみせていました。男性的魅力を湛えた衣装を身に纏い、颯爽と登場するボンドの姿は何度観ても飽きのこないものです。しかし、ファッション以上に同映画シリーズに感動をもたらしたのは、毎回披露されるボンドの秘密兵器の数々ではなかったでしょうか。それらを用いて快進撃を続けるボンドの勇姿は、映画鑑賞後もある種の爽快感とともに観衆に大きな感動を与えていました。それら25作品において、6人の名優がボンドを演じましたが、とりわけ第1作から第5作まで連続でボンドを演じたショーン・コネリーの名演は高評価を獲得しており、「ボンドと言えばコネリー」と言わしめるほどの妙技を見せ、ベテラン俳優としての実力を誇示していました。

英国の偉大なる現代と過去を映し出す鏡のようなモダンコイン

英国貨幣界において2023年後半最大の話題の一つに数えられるのが、ボンド映画の魅力をコイン化して話題を呼んだ「映画007の60年」と題された新しいコインシリーズのリリースです。発行元の英国ロイヤルミントは、これまでにもボンド映画関連のコインの発行によって大きな成功を収めていましたが、シリーズ物のリリースは今回が初となります。前作第1弾は、ボンド映画の源流とも言える1960年代へのオマージュとして、後にスパイ映画の古典となった初期ボンド映画にスポットを当てるものとして高く評価されました。そしてこの度の第2弾は、1970年代のボンド映画を回顧する貴重な機会を我々に与えます。ボンド映画のスペクタクル性を前面に押し出した現代的で洗練されたデザインは、普くコインコレクターの心を掴むことと思われます。ボンドの秘密兵器にして無二の親友でもある潜水艦「ウェット・ネリー」の全体を浮かび上がらせる当コイン裏面は、ボンド映画のエンターテイメントとしての斬新な魅力と普遍性を同時に醸し出しています。コイン裏面に掲げられているのは、2022年9月の代替わりに際して英国王位を継承した新国王チャールズ3世の「公式第1コイン肖像」です。ロイヤルミントが世界に誇る名デザイナー、マーティン・ジェニングスが才能の限りを尽くして創造したこの崇高な作品は、その正確無比な描写力と古典的な造形美によって、コインポートレートの世界の新たな伝説となりました。新時代の幕開けを象徴するチャールズ国王の肖像を表面に刻み、過去60年間にわたって継続された人気映画シリーズを回顧する裏面を持つ当コインは、英国が世界に誇る現代と過去を表裏に映し出す鏡のような芸術作品です。