2023 チャールズ3世 ライオン＆イーグル 500ポンド1キロプルーフ銀貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

過去の強力な協調関係の下に構築されたイギリス連合王国とアメリカ合衆国の現在

過去数世紀に渡り、世界を代表する二大巨頭として、常に協調関係にあった現在のイギリス連合王国とアメリカ合衆国。しかし、時にはそれぞれの政治的信条の違いや事象の変化に伴い対立することもあり、互いに数々の困難を乗り越えなければならなかったことも確かです。遠い昔には、英国本国の影響を受けながらも、その植民地として徐々に形成されたアメリカ国家でしたが、20世紀以降は自由主義を掲げる経済大国として堂々と世界をリードし続けています。一方、イギリスはと言いますと、19世紀には大英帝国時代を頂点とする最盛期を迎え、20世紀以降は一時的に求心力を失いつつあったものの、第二次世界大戦以降は新生イギリス連合王国として世界の檜舞台に再び帰り咲きました。アメリカがイギリスの植民地主義から脱却した重要なターニングポイントとして、1620年に実際に起こった「メイフラワー号」の出航がまず最初に思い浮かびます。ステュアート朝の初代国王ジェームズ1世の治世初期になりますと、非イングランド国教会信徒への弾圧は日増しに厳しくなりつつありました。そのような中、イギリスのピューリタン（清教徒）たちは切磋琢磨し合い、国家の弾圧を逃れるために南イングランドのポーツマスの港町から密かに出航し、信教の自由を求めて新天地アメリカ大陸を目指しました。約2ヶ月に及んだ大西洋横断の大航海の末に、プリマスの港に降り立った彼らは、そこに新たな植民地を開拓し遂に念願の自由を手に入れました。それに先駆けてメイフラワー号の船中にて締結されたいわゆる「メイフラワー号誓約」は、彼らの信教の自由を約束したばかりか、後にはアメリカ合衆国建国の基本理念として継承されることになります。互いに反目し合いながらも、時にかけがえのない友情を分かち合ってきた両国の複雑な関係は、とても一言で言い表すことはできません。1780年代には、対立する両国を決定的に決別させる出来事が起こっています。英国王ジョージ3世の治世下のこの出来事は、今日「アメリカ独立戦争」の名によって知られています。この戦争の結果、イギリスは合衆国東部の広範域に及ぶ植民地における既得権益を喪失しましたが、それはアメリカのイギリスからの完全なる脱却を意味すると同時に、独立国家としての門出でもありました。世界を震撼させた20世紀前半の両大戦は実に凄惨を極めましたが、同時にこれら両国はそれ迄には無かった強力なパートナーシップを構築しました。21世紀の両国の繁栄を目の当たりにしていますと、いかに過去の歴史がそれを体現する上で重要な役割を果たし、今日の礎を築くに至ったかを容易に想像することができます。

イギリスとアメリカの架け橋としての役割を果たすライオンとイーグルの優れた意匠

21世紀のイギリス連合王国とアメリカ合衆国両国の繁栄を象徴する新しいコインデザインがこの度、日の目を見ることになりました。英国ロイヤルミントによるこのモダンコインの最新作の裏面には、イギリスとアメリカを象徴するライオンとイーグルが描かれています。少なくとも中世以降、イギリスの、ひいては英国王室の象徴として重用されてきたライオン。百獣の王ライオンほどに最高権力者としての英国王を象徴するものは歴史上他に見当たりません。英国王室のシンボルである「ロイヤル・コート・オブ・アームズ」の中にも、王冠を戴く「イングランドのライオン」が挿入されており、それを雄弁に物語っています。時に「世界の警察」と称され、現在も世界第1位の経済大国としての地位を保持するアメリカを何よりも象徴するのがイーグルではないでしょうか。二大国家をシンボライズする二種の動物を描く当コインの裏面は、長年にわたる両国の友好関係を具現化するものです。そしてコインの表面には、2022年9月の代替わりに際して王位を継承した現英国王チャールズ3世の「公式第1コイン肖像」が掲げられています。現代ロイヤルミント屈指の名デザイナー、マーティン・ジェニングスによるこの傑作肖像は、チャールズ国王による新たな時代の幕開けを象徴するものであり、国王自身のお気に入りでもあります。母王エリザベス2世の70年間に及んだ治世下において、英国王太子として世界に対峙したチャールズ3世ほどに世界情勢を見つめ続けた王族は他に見当たりません。イギリスとアメリカの輝かしい未来を象徴する当コインは、今後、両国の架け橋としての充実した役割を果たすことでしょう。