2024 チャールズ3世 干支辰年 2ポンド 1オンスプルーフ銀貨 未鑑定 箱付き

過去数千年間にわたる人類と動物たちの共存関係を想起させるロイヤルミントによる人気コインシリーズ

2014年の午の年に英国ロイヤルミントが創始した「干支シリーズ」は、モダンコインのコレクションとして例外的な成功を収めました。それぞれの動物の絶妙な描写による秀逸なデザイン性が毎回話題を呼び、今や英国コイン界にとって無くてはならない人気コインシリーズとしての地位を確立しています。その性質上、一年に一回のみのリリースではありますが、その分、時間をかけてコレクションを形成する楽しみが増大することでしょう。12種類の実在と架空の動物を描く同シリーズですが、より厳密に申しますと同コレクションが採用するのは我が国の干支ではなく、本場中国の「十二生肖」に当たります。歴史大国中国が幾世紀もかけて育んできた長い来歴を持つこの文化は、ロイヤルミントの英断によって英国コインの裏面を彩ることになりました。今や普遍的な文化となりつつある「干支」あるいは「十二支」の概念は、当コインシリーズへの採用によって国際的なスタンダードとなるべく選定されたと言えます。それぞれの動物に固有の性質が認められることから、それらを人間の性格的本質に当てはめ、人生や未来の吉凶を予見するという手法を採ることは、少なくとも我が国日本にて一般に共通する干支の基本的な解釈の仕方ではないでしょうか。それは実にスリリングかつ意義の深いこととされており、個々の動物の視覚的な魅力と相まって極めれば極めるほどに対象者の感興を刺激します。しかし、日本での干支の概念と中国のそれとは解釈の差異のみではなく、動物によっては根本的な違いも存在します。一例を挙げますと日本人になじみの深い猪は中国の十二生肖には存在せず、代わりに豚が当てはめられます。当コインシリーズならではの魅力として、中国の十二生肖を取り扱っているにもかかわらず、個々の動物を英国人を始めとする西洋人にも受け入れられるように魅力的な動物として、また時にユーモラスに描いている点が挙げられます。とりわけ英国人にもなじみの深い馬や犬などの動物の描写には、狩猟の友として英国人の生活を支えてきた動物としての親しみが感じられるばかりか、人間と動物の過去数千年間にわたる共同生活の恩恵を想起させるものでもあります。

新国王の治世と世界のさらなる飛躍を願う龍の意匠を刻む「干支シリーズ」第11弾

来たる2024年を前にして、英国ロイヤルミント屈指の人気コインシリーズは堂々の第11弾を迎えようとしています。今回ご紹介させていただく作品は、2024年の辰年に因んで、干支の本場中国において、また我が国日本でも古くから人気の高い龍（ドラゴン）を描く新しいコインのラインアップです。古来、中国社会では力の象徴として崇め奉られてきた龍ですが、特に5本爪の龍は皇帝の化身とされ、重用されてきました。ちなみに4本爪の龍は貴族階級、そして3本爪のそれは町人階級を象徴すると伝えられています。当コイン裏面には、支配者の象徴とされる5本爪の威厳のある前向きの龍が描かれており、至高の権力とこの動物ならではの超自然的な存在感を十全にアピールしています。日本の書画骨董などでもよく見かける龍ですが、当コインの裏面に見られるような正面を向いた状態で描かれることはほとんど無く、否が応にも純粋に中国的な美感を感じさせ、観る者に強いインパクトを与えます。コイン表面には2022年9月のエリザベス2世の崩御に際して王位を継承したチャールズ3世の治世初となる公式コイン肖像が掲げられています。イギリス連合王国全体の君主となったチャールズ新国王ですが、同王国の構成国であるウェールズでは古来赤い龍を君主の化身と見る傾向があります。ロイヤルミントの人気デザイナー、マーティン・ジェニングスの写実的なコイン肖像が表面を飾る当コインですが、非常に東洋的な見方かも知れませんが、連合王国の新たな君主チャールズ3世を象徴する特別の龍の図案がこの度、ついに公開される運びとなりました。また、この優れたデザインによって、来年2024年が世界にとって飛躍の一年となることを願わずにはいられません。

・稀に黒ずみや傷、ミルクスポット（白い斑点）等が見られる製品もございます