2023 チャールズ3世 英国君主コレクション第8弾 ジョージ2世 200ポンド2オンスプルーフ金貨 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

イングランドのハノーヴァー朝の第2代国王ジョージ2世の知られざる生前の功績

1714年のアン女王の崩御に際し、イングランドのハノーヴァー朝を創設したのは、ハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒこと英国王ジョージ1世でした。そしてジョージ1世亡き後に同朝の第2代国王として新たに英国を率いたのは、ジョージ1世と王妃ゾフィー・ドロテアの長男であったゲオルク・アウグストこと後のジョージ2世であり、ジョージ王朝時代の黄金期を築き上げた国王としてその名を史上に刻みます。父王と同じく北ドイツで生まれた国王は、外国出身の英国王としては史上最後となります。1701年のウィリアム3世の治世下に公布された「王位継承法」と1707年のアン女王の時代に制定された「グレートブリテン王国合同法」が規定する通り、英国における王位継承権がプロテスタントに限定されたため、祖母のゾフィー・フォン・デア・プファルツの継承順位は一気に第2位にまで上昇しました。1714年にはゾフィーとアン女王が相次いで亡くなり、父のハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒが新英国王ジョージ1世となり、王位を継承することになりました。生涯にわたって父王と折り合いの悪かったジョージ2世でしたが、反体制派の政治家を味方として特殊な関係を構築しながら自身の王位継承を待っていました。そして1727年の父王の崩御に伴い、ジョージ2世として即位します。英国内の政情に疎く、英語を解さない生粋のドイツ人然としていた父王の時代に、皮肉にも強固な立憲君主制の基盤が構築された英国ですが、1727年のジョージ2世の即位と共にその伝統は継承され、一層強化されたといえます。1727年に即位したジョージ2世は、英国の内政をグレートブリテン議会に委ね、王自身が政治に干渉することは極めて少なかったと言われています。選帝侯を兼任していた王は、その治世下に故郷のハノーファーを12回訪問しており、同地において英国政府の施策を直接指示していたとのことです。ジョージ2世はまた、実際の戦闘に参加した最後の君主としても記録されており、オーストリア継承戦争中の1743年にはデッティンゲンの戦いに参加し勝利を収めました。政治面においては数多くの事象に翻弄されたジョージ2世の治世でしたが、王が後世に与えた影響力の大きさは今もって語り草となっているほどです。王の治世下の1753年には、開館と同時に世界有数のコレクションを保有するに至った大英博物館が設立されました。またその4年後に王は王立図書館の蔵書を一括して同博物館に寄贈し、学術の保護に努めました。歴史家たちの語るところでは、王は生前、学問諸分野に興味を示すことはほとんど無かったそうですか、代わりに狩猟やカード遊びを好んでいたことから怠惰な国王の烙印を押されていたのが実状でした。他方で王は高等教育の振興にも力を注ぎ、故郷のハノーファー選帝侯領における初の高等教育機関であるゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンを創設し、1748年には同大学を訪問して関係者を激励したとの記録が残っています。1716年から11年間にわたってアイルランド・ダブリンのトリニティー・カレッジの学長を務め、1754年にはアメリカ合衆国ニューヨーク州のキングス・カレッジの設立を認可する勅許状を出しました、キングス・カレッジは後に合衆国東部を代表する名門大学として、その学術的水準が今日なおも高く評価されるコロンビア大学の前身として設立され、生前の王の最大の功績として刻まれています。また1732年に発行された王の勅許状によって成立したアメリカ合衆国のジョージア植民地は、ジョージ2世に因んで名付けられたと伝えられています。

伝統と歴史を誇るロイヤルミントならではの優れた出来栄えを誇る「英国君主コレクション」第8弾

2022年の英国貨幣界において例外的な成功を収めた新しいコインシリーズとして、まずこの「英国君主コレクション」が挙げられることでしょう。テューダー朝の始祖ヘンリー7世時代のコインを採り挙げて絶賛を博した同コレクションの第1弾は、王の在世当時に鋳造されたオリジナルコインを復刻し、特にコインの歪みまでもが忠実に再現されていた点が話題を呼びました。そしてこの度は同シリーズ第8弾として、ジョージ王朝時代の立役者ジョージ2世をクローズアップします。王の生きた時代に流通していたコイン裏面の肖像をモダンコイン上に見事に映し出し、王の在世当時の空気までをも見事に再現しています。裏面に描かれている国王の右向きのポートレートには古代ギリシャ時代以降、勝利者の象徴として踏襲されてきた月桂冠が見られ、長髪のかつらを伴う気高き君主としてのジョージ2世の風格を浮かび上がらせることに成功しています。肖像周囲には「神の恩寵によるジョージ2世」という意味の伝統的なラテン語碑文が連なります。この傑出したポートレートは、元々当時を代表する名彫刻家ジョン・クロ―カーがデザインしたもので、王の時代の法定通貨としては最高位に位置する5ギニー金貨の表面に掲げられていたものです。そしてコイン表面には、昨年崩御された前英国王エリザベス2世に代わってイギリス連合王国を率いることとなった新国王チャールズ3世の新しい公式コイン肖像が描かれています。国王自身の愛顧を得て新たに英国貨幣界を牽引することとなったこの傑作肖像は、現代ロイヤルミント随一の名匠マーティン・ジェニングスの透徹した審美眼の成せる業です。新時代の幕開けを飾るこの傑作コインシリーズ第8弾は、過去1100年間にわたって常に王室と共にあったロイヤルミントにして初めて可能な高度なテクニックと研ぎ澄まされた芸術性を同時に表出するモダンコイン屈指の逸品です。