2026 チャールズ3世 エリザベス2世のコイン肖像シリーズ 第二弾 ヤングエリザベス 5ポンドBU白銅貨 未鑑定 パッケージ付き

若き日のエリザベス2世の気高き姿を永遠に刻むコイン肖像の華「ヤングエリザベス」

70年以上に及んだエリザベス2世の治世は、第二次世界大戦後のイギリス連合王国が空前の繁栄を体現した未曽有の時代として今なお語り継がれています。1952年の前国王ジョージ6世の急死によって英国王位を継承した女王でしたが、その翌年の戴冠式は正にイギリスの戦後からの脱却を象徴するイベントとして人々に強い印象を与えました。そして英国貨幣界もまた、女王の即位によって新時代のスタートを切りました。戴冠式の年1953年には女王の公式第1肖像「ヤングヤング・エリザベス」が解禁となりましたが、当時若干27歳であった女王の若々しい横顔は連合王国にとっての輝ける未来の象徴であり、また貨幣界にとってはその後70年間にわたって発行され続ける全流通貨の最初の顔でもありました。至ってシンプルな肖像の頭上には王冠の類は見られず、代わりに月桂冠が配されている点が最大の特徴です。1950年代のロイヤルミントを代表する女流彫刻家メアリー・ギリックの晩年の大作に数えられるこの優れた作品は、あどけなさが残る女王の素顔を巧みに映し出した巧みな演出効果を特徴とするものです。続く公式第2コイン肖像が発表されたのは、即位から16年後の1968年の事でした。「ヤングエリザベス」と呼ばれるこの2番目のコイン肖像は、若々しくも成熟した美しさを見せる43歳当時の女王の横顔を浮き彫りにして、得も言われぬ気品を醸し出しています。名コインデザイナー、アーノルド・メイチンによるこの輝かしい作品は、その後、17年間にわたって連合王国の流通貨と記念コインの表面に精彩を与えていました。前肖像との最も大きな違いは女王の年齢のみならず、頭上の装飾品にあります。「大英帝国とアイルランドの少女たちのティアラ」と名付けられた王室コレクション屈指の秘宝は、在世当時の女王が公務などの公式行事の際に最も頻繁に着用していたアクセサリーとして広く知られていますが、この2番目の女王の公式コイン肖像の眼目としてコイン上にて初お目見えとなりました。作者のメイチンですが、。同じく1968年にはイギリス連合王国が発行する切手のための肖像も手掛けたことで著名な人物です。その切手に関してはコイン肖像の流通期間以上の長期にわたって使用されていたことから、今でもエリザベス2世のトレードマークとして記憶されている方も多いことでしょう。コイン肖像に描かれていたティアラですが、1947年に女王がフィリップ殿下との婚礼の際に祖母のメアリー王妃（ジョージ5世妃）から伝授されたもので、元々は1893年のジョージ5世と王妃の婚礼の記念品として、アイルランドの女性のみの慈善団体が寄付金を募ってロンドンの王室御用達宝石商「ガラード」に発注して王妃に献上したとされる由緒ある逸品として知られています。今回ご紹介させていただくコインは、2025年に初登場となった新しいモダンコインシリーズ「エリザベス2世のコイン肖像コレクション」の第2弾として紹介される「ヤングエリザベス」です。裏面全体に大きく引き伸ばされたように再現された公式第2コイン肖像「ヤングエリザベス」の迫力は凄まじく、観るものを深く感動させることでしょう。原作者のアーノルド・メイチンの独創性はそのままに、現代ロイヤルミントの主任彫刻師であるゴードン・サマーズによる入念な仕上げが作品の付加価値となっており、感動もひとしおです。コイン表面には2022年9月のエリザベス2世の崩御に際して英国王位を継承した現イギリス国王チャールズ3世の新しい肖像が描かれています。女王の70年間もの治世下に王太子を務めていた現国王は、誰よりも母エリザベス女王の治世を陰で支え、その歩みを見届けた人物ではなかったかと思われます。そして新国王の時代になり、前国王の功績を称えて公式コイン肖像が次々と紹介されるようになったことは、コインによるエリザベス2世へのオマージュと捉えることも可能かと思われます。美しいヤングヤングが再び日の目を見ることになり、世界に紹介され再評価の対象となる時を迎えたことは英国貨幣界にとっても喜ばしいことに相違ありません。