2025 チャールズ3世 現代鉄道200周年記念 2ポンドプルーフピエフォー銀貨 金メッキ付 未鑑定 箱付き【ご予約承り品】

グレートブリテン連合王国における過去二世紀にわたる鉄道史の俯瞰

1825年に開通したグレートブリテン連合王国の鉄道は、世界で最も古い鉄道として知られています。これによって同国は歴史的に鉄道発祥の地と位置づけられます。現在のイギリス国内の鉄道は複数の列車運行会社によって運営されています。1804年にリチャード・トレビシックによって蒸気機関車が発明されましたが、史上初の本格的な鉄道は、1825年開業のダラム州のストックトン＆ダーリントン鉄道です。1830年には旅客輸送を行う初の路線であるリバプール＆マンチェスター鉄道が開通します。この成功が後の鉄道工事の先駆けとなったことは言うまでもありません。また1840年代は「鉄道狂時代」と呼ばれ、イギリス各地に鉄道網が広がり、鉄道に関する一般社会の関心が高まりを見せた時代として記憶されています。特に1848年には鉄道の総延長が運河の総延長を超える約8200kmへと更新されました。19世紀前半の鉄道初期の頃には無数の鉄道会社が運行を請け負っていましたが、19世紀から20世紀にかけての数十年間の間にそれらは整備され、より少数の企業が運行を支えるようになります。第一次世界大戦後の1923年には、その2年前に制定されたばかりの「1921年鉄道法」によってそれまでに存在した約120社もの鉄道会社が統合され、四大鉄道（グレート・ウェスタン鉄道、ロンドン・アンド・ノースイースタン鉄道、ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道、サザン鉄道）に集約されます。しかし第二次世界大戦勃発前後からイギリス国内で急激に発展した道路交通によって鉄道の需要は大幅に減退したため、鉄道の経営は悪化の一途を辿ります。そして大戦後の1948年にイギリスの鉄道は全て国有化されることになり、イギリス国鉄が発足します。また戦後は自動車の普及や鉄道の近代化の遅れ等の諸問題によって経営不振が続いたため、1960年代に入って当時の国鉄総裁のリチャード・ビーチングの主導の下に不採算路線の削減が実行されたため、イギリス国内の路線網は大幅に縮小されます。続く1970年代には高速列車のインターシティー125が開通し注目を集めます。1980年代にはイギリス鉄道の地域別組織が部門別に置き換えられ、都市間の鉄道・ロンドン及び南東部・地方鉄道・郵便貨物の各部門が個別に成立し、経営の効率化が図られます。そして1990年代には遂に鉄道の民営化が計画されるようになり、1993年に「1993年鉄道法」が成立したことによって翌1994年にイギリス国鉄の分画民営化が実施されます。民営化では線路・インフラ部門と旅客・貨物輸送部門を分離する上下分離方式が採用され、一層の利便性が保証されました。線路とインフラは線路保有会社のレールトラック社に一任され、、旅客輸送は入札が殺到したため複数（当初25社）の列車運行会社が一定期間の営業権を個別で獲得するフランチャイズ制度が導入されることになり、また貨物輸送も複数の民間会社によって運営されることになりました。1994年には念願のイギリスとフランスを結ぶ英仏海峡トンネルが開通し、イギリス国内の鉄道網とヨーロッパ大陸が陸続きとなります。2003年にはイギリス初の高速鉄道として英仏海峡と首都ロンドンを結ぶCTRL（High Speed 1）の第1期区間が開業、更に2007年までにはロンドンまでの第2期区間が完成し、大きな話題となりました。

鉄道創始200周年に捧げられるコイン化された感動のオマージュ

今回ご紹介のコインは、2025年に200周年を迎えるイギリスの鉄道の栄光の歴史を回顧する記念コインです。数々の傑作コインを世に送り出したロイヤルミントの最新作として注目を集めることは想像に難くありません。コインの裏面には「ロコモーションno.1」の愛称で知られるイギリス初の蒸気機関車が描かれており、熱心な鉄道ファンを始め多くのコインコレクターを狂喜させることでしょう。現代ロイヤルミントを代表する人気コインデザイナーの一人、ウィリアム・ウェッブのデザインによるリアリティーあふれる豊かな描写は、往時の同機関車を彷彿させる高いクオリティーを感じさせるもので、200周年記念に相応しい内容ではないかと思われます。デザイン部の上部には「世界を変えた鉄道での旅路」を意味する碑文が寄せられており、この超然の200周年を回顧するのにうってつけです。コイン表面には2022年の代替わりに際して新たにイギリスコインの顔となった新国王チャールズ3世の「公式第1コイン肖像」が掲げられています。左向きの国王の横顔はどことなく哀愁が漂っており、その人間味のある温和な表情には胸を打つものがあります。当コインは1100年間に及ぶコイン鋳造のスペシャリストであるロイヤルミントが、鉄道創始200周年に捧げる感動のオマージュにほかなりません。