2024 チャールズ3世 バッキンガム宮殿 50ペンス 1/40オンスプルーフ金貨 未鑑定 パッケージ付き【ご予約承り品】

英国王室とともに300年以上もの歴史を見届けてきたバッキンガム宮殿

現在も英国王室の公式な宮殿としてロンドン市内に存在するバッキンガム宮殿。その歴史は古く、1703年に英国の名門貴族バッキンガム公爵ジョン・シェフィールドが自らの邸宅を建設する目的で広大な桑畑を購入した時にさかのぼります。当初は煉瓦のみを用いて建設された非常に簡素な邸宅にしか過ぎませんでしたが、1760年に新国王として即位したジョージ3世がその翌年に公爵家から譲渡された時に正式に王室の所有となりました。当時バッキンガム・ハウスと呼ばれていたこの館は、ジョージ3世がシャーロット王妃と子供たちとともに週末を過ごすためのみに用いられていました。しかし、王室所有の居住空間として継続的に用いられるには多少不便で手狭であったとのことです。1820年にジョージ3世が崩御すると、それまで国王を補佐していた摂政王太子ジョージはジョージ4世として即位しましたが、それとほぼ同時期に、王室が所有するようになって以降初の大改築が行われました。19世紀初頭の英国を代表する名建築家ジョン・ナッシュの助言を元に宮殿を現在我々が目の当たりにする姿へと改めたことは、ひとえにジョージ4世の並外れた審美眼の成せる技であったと言えます。1825年に始まったジョージ4世の治世下における宮殿の大改築は、その後12年かけてそれまでのルネッサンス様式の外観からネオクラシック様式へと改められました。しかし、ジョージ4世自身は、全く異なる建物として改築された後の宮殿の変貌ぶりを見届けることなく1830年に崩御しました。それまではセント・ジェームズ宮殿と並んで、王室が所有する宮殿群の一つでしかなかったバッキンガム宮殿でしたが、1837年のヴィクトリア女王の即位をきっかけとして、国王が実際に政務を行う公の場となりました。1850年には正面の東棟が増築され、中庭を挟んで四角形の構造となり、1913年には宮殿正面の改装に伴いバルコニーが新設されました。例年、夏の2か月間のみ一般公開される宮殿内部ですが、君主のプライベートな居住空間以外の公式な18部屋（ステートルーム）のみの公開ではあるものの、壁面を埋め尽くす古今東西の名画（フェルメールやカナレット等の著名な画家の油彩画を含みます）が来訪者を感動で包みます。ジョージ3世の個人的な収集物がコレクションの大半を占めていることからも、生前の王の類まれなる美意識を伺い知ることが可能です。

バッキンガム宮殿と王室の関係を恒久化する英国貨幣の新たな名品

ロンドン随一の観光地として人気を集めるバッキンガム宮殿。英国を象徴する名物であるとともに重要な観光イベントでもある衛兵交代式は、宮殿前にて行われる日常的な祝祭でもあります。4月から7月の間は毎日1回、またそれ以外の月には2日に1回開催され、全世界から集まる観光客に英国王室の威厳を披露しています。衛兵歩兵隊はグレナディアガーズ（Grenadier Guards）、コールドストリームガーズ（Coldstream Guards）、スコッツガーズ（Scots Guards）、アイリッシュガーズ（Irish Guards）、ウェルシュガーズ（Welsh Guards）の5つの連隊から構成されています。.今回ご紹介させていただくコインは、ロンドンの顔と呼ぶべきバッキンガム宮殿の栄光の歴史を称えて全世界に贈られるモダンコインとしては初となる記念コインです。コイン裏面には正門から見た宮殿の印象的なファサードが描かれており、上部には英国君主を象徴する旗が翻っています。ライオンを描く旗の図柄は君主を象徴しており、国王が宮殿内にいることを暗示しています。また国王不在時には、この旗に代わってユニオンジャックが掲揚されることになっています。コイン表面には、2022年の代替わりに際して英国王位を継承された現国王チャールズ3世の「公式第1コイン肖像」が描かれています。現代ロイヤルミント屈指の実力派デザイナーとして知られるマーティン・ジェニングスの感性豊かなこの力作は、国王自らの愛顧を得て英国モダンコインの新たな顔となりました。写実的な描写力に優れたこの肖像は、国王によって開かれた新たな時代を予見させるものでもあります。バッキンガム宮殿の現代の主でもあるチャールズ国王の権威を表面に刻むコインは、過去三百有余年の英国王室史の総決算として現在もロンドンの地にたたずむ宮殿と王室の繋がりを恒久化する英国モダンコインの厳選された名品に数えられることでしょう。