HOME ＞ アンティークコイン ＞ フランス 1380-1422 シャルル6世 エキュドール金貨 NGC MS62 FR-291
-
一般価格：605,000 円(税込)
会員価格： 550,000 円(税込)精神病による狂気と闘いながらイングランドの攻撃から自国を守った孤高のフランス王シャルル6世42年間の生涯
フランス・ヴァロワ朝の第3代国王シャルル5世と王妃ジャンヌ・ド・ブルボンの長男として誕生した第4代国王シャルル6世。若き日にはその安定した執政によって「親愛王」と呼ばれて国民に親しまれていたものの、治世半ばにして精神に異常をきたし、「狂気王」と称され厭世的な日々を送っていました。シャルル6世が誕生した時点で兄たちは全て死亡していたため、未来の王はドーファン（フランス王太子）としてフランス王位を継承する権利を持っていました。1380年9月16日の父王シャルル5世の崩御に際して新国王シャルル6世として即位した王のために、同年11月4日にランスのノートルダム大聖堂において盛大なる戴冠式が挙行されました。当時のフランスでは王族は14歳で成人を迎えるとされていましたが、シャルル6世の場合はその年齢に達した後も摂政による統治が継続され、1388年まで王自身による親政が開始されることはありませんでした。廷臣たちの助力の結果、治世初期には名声を確立していたシャルル6世ですが、20代半ばには「ガラス妄想」と呼ばれる精神病を発症します。これは自身の体が壊れやすいガラスで出来ているため、外界から守らなければならないと信じ込む一種の強迫観念であり、王の症状以外にも一般的な精神病の兆候として知られているものです。母ジャンヌ・ド・ブルボンの血統による遺伝と見られるこの病気によって、若きシャルルは精神に異常をきたし、次第に政務から遠ざかるようになります。1392年に王の友人で助言者でもあったオリヴィエ・ド・クリッソンの暗殺未遂が明るみに出ると、王は実行犯の追跡に執念を燃やします。実行犯が逃げ込んだブルゴーニュ公国との戦争をも辞さないほどに王の怒りは収まらず、同公国との全面戦争へと突入します。度重なる精神異常の発作のため、政務を執ることがほぼ不可能となったシャルル6世の治世後期には、後継者のジャン1世を中心とするブルゴーニュ派と王を支持するアルマニャック派とに宮廷が内部分裂し、主導権を巡る論争が絶えませんでした。このようなフランスの情勢を鑑みて、フランスにおける覇権を虎視眈々と狙う時のイングランド国王ヘンリー5世は、表面上はアルマニャック派を支持しながらもブルゴーニュ派と結託し、両派の闘争に巧みに介入しました。そして1415年、ヘンリー5世はシャルル6世に対して支援の見返りとしてフランス王位継承権の譲渡とフランス国内の領土の割譲、さらには多額の賠償金を要求するに至ります。その法外な要求をアルマニャック派が断固拒絶すると、ヘンリー5世は自国の軍を率いてフランス本土に上陸し、アジャンクールの戦いにおいてはフランス軍を完膚なきまでに打ちのめしました。幸い、若くして病死したヘンリー5世が実際にフランス王位を継承することはありませんでした。イングランド王崩御の約2ヶ月後にはシャルル6世もまた、長年の宿敵の後を追うように崩御します。
シャルル6世の治世を象徴する遺品としてのタロットカードとエキュドール金貨
シャルル6世の治世は42年間と比較的長期であったものの、その治世の大部分は王が患っていた精神障害によって廷臣たちやイングランド王室に翻弄された時代として記憶されています。王の生涯を苛んだ病状によって非常にネガティブな印象を持たれやすいシャルル6世の治世ですが、歴史上のシャルル6世を象徴する文化遺産である「シャルル6世のタロットカード」1セットが後世に残されており、現在、パリ国立図書館が所蔵していることが確認されています。現存する世界最古のタロットカードとして知られるこの遺品に関しては、王の在世当時の宮廷の会計帳に記されていた「金色と他の色で着色された56枚の遊戯札」の記述と、それらのカード3セット分の制作費として、1392年に王室が画家ジャクマン・グランゴヌールにペルシャ硬貨6枚を支払ったという記録が残っています。シャルル6世の長期在位を象徴するもう一つの物的証拠として、今回ご紹介させていただく「エキュドール金貨」が挙げられます。精緻極まりない装飾性によって中世フランス金貨の華と謳われるこの歴史的な貨幣は、正式には「エキュ・ドール・アラ・クロンヌ＝王冠を配した黄金の盾」と称され、その名称のごとく上部に王冠を戴く盾形の紋章を表面中央に描く重厚なデザインによって、中世フランスアンティークコインの中でも人気の高い逸品として知られているものです。盾の中にはフランス王位を象徴する紋章「フルール・ド・リス」が絶妙な間隔で配置されており、シャルル6世の王位の正統性を誇示しています。その周囲には「神の恩寵によるフランス国王シャルル」を意味するラテン語碑文が掲げられており、碑文の文体が当時のフランスにおける高度な貨幣鋳造技術を物語っています。裏面中央にはフルール・ド・リスを多様化した装飾的な十字紋が刻まれており、フランスコインならではの満艦飾の装いに目を奪われます。あらゆる角度から見て最高度の芸術性が顕著な当コインは、伝説の国王シャルル6世が生きた時代のフランス宮廷の栄華を我々の時代に伝える文化遺産として永遠の価値を有しています。
品番 2927 鑑定番号 
4463237032
現在のNGC鑑定数はここをクリック下さい価格 一般価格：605,000 円(税込)
会員価格： 550,000 円(税込)
グレード数 MS 62 重量 3.59 g 直径 約28.5 mm 表面 フランス国章を描いた盾・王冠 裏側 十字紋章 発送元 日本国内から発送 -
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
