ご挨拶
皆様こんにちは。
アンティークコインのショールーム、コインパレスの瀧でございます。
夏休みも終盤を迎え、神戸では遊び納めに須磨海岸やキャンプ場を訪れる人々で賑わっております。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
本日は、ヨーロッパでのコイン市場の現状についてご紹介申し上げます。
普段はイギリスからの視点を中心にコラムをお届けしているこのコーナーですが、今回は「特別版」として、ヨーロッパに視点を広げてお伝えしてみたいと思います。
伝統あるヨーロッパのアンティークコイン商から届いた、興味深いコラムをお送りいたします。
どうぞお楽しみくださいませ。
ヨーロッパから日本の皆様へご挨拶
この度は、私が携わっている現在のヨーロッパにおけるコイン収集市場についての理解をコインパレスと共に共有する機会をいただき、感謝しております。
私たちはヨーロッパを拠点に50年以上もコインに携わるお仕事をさせていただいておりますが、ここ数年のマーケット動向は非常に活発であり、コインに対する需要は過去20年間絶えず成長しております。
とりわけ、この24か月間で大幅な加速が起こっている事を私は肌で感じています。
現在起こっているパンデミック、ウクライナ戦争は元より、過去40年間に起きた数々の要因が引き起こすハイパーインフレーションは、新しい顧客層が現物資産に興味を持つきっかけとなり、資産運用をより活発化させていると言えます。
ヨーロッパにおける現物資産の位置付け
ヨーロッパにおける現物資産ですが、経済がデフレに転換した場合であっても防衛資産として有効活用できる点を特徴としています。
現物資産であるコインを収集、運用することは、コインの性質上の利点が大きく関係しています。
形ある現物資産であるコインはご存知の通り、持ち運びが簡単、流動性の高い資産であること、そして金や銀の素材で作られていることから、コインの付加価値だけではない素材としての価値がマーケットにおいて認められていることを最大の特徴とします。
コインの収集、運用とは、私たち自身の貯蓄を現物資産として保護することを意味します。
そして、ヨーロッパではコロナ禍以降、富裕層と貧困層の間に存在する経済格差がより明確となりました。
富裕層はより資産を増やし、一般人、低所得者はより厳しい生活環境に置かれるという悪循環を生み出しました。
資産のポートフォリオを再構築することを重要視する富裕層は、現物資産により多くの投資をする傾向にあります。
ウクライナ情勢とヨーロッパにおける現物資産
ウクライナ戦争がもたらした悲しみは計り知れませんが、ポーランド、フランス、モナコなどの国はウクライナ人移民の避難を受け入れています。
特にモナコ、フレンチ・リビエラ(南仏)には土地柄、富裕層のウクライナ人移民が逃れてきています。
日本では移民と聞くと貧困層の方をイメージするかもしれませんが、ウクライナの富裕層も彼らの資産とともに移ってきています。
彼らは豊富なユーロ資産をまず、生活基盤に必要な家や車、子供の教育に使っています。
そして戦争がもたらした悲劇から現金で資産を保有することへの将来的な不安から現物資産へのシフトを図っています。
ヨーロッパにおけるインフレと今後の予測
新型コロナウイルスの流行とウクライナ情勢。
過去に例を見ないほどの大きな要因が同時期に起こったことにより、ハイパーインフレーションの加速にさらなる拍車をかけています。
インフレ対策として私の考えでは、FED(米国中央銀行)とBCE(欧州中央銀行)は徐々に金利を引き上げる必要があると考えていますが、私たちが直面しているハイパーインフレを解決するには長い時間がかかる可能性があると考えています。
その理由の1つは、コロナの影響が長期にわたってサプライチェーンに与えられたマクロ経済ショックです。
このショックは簡単には立て直しが難しいと考えています。
2つ目の理由は、先ほども述べたようにウクライナでの恥ずべき戦争はインフレの拍車をさらに強化しています。
ウクライナでの戦争は世界のサプライチェーンを混乱させ、食料、燃料、肥料の価格を記録的な高水準にまで押し上げました。
経済協力開発機構(OECD)は6月8日、2022年の経済見通しを発表し、38の加盟国のインフレ率は8.5%になると予測しています。
昨年12月の予測の4.2%からほぼ2倍になりました。
インフレの過熱は止まる事を知らず、ウクライナ戦争はインフレを加速させている要因になっています。
現物資産の価格は高騰していますが、それを買う裕福な人々の需要はさらに高まり、ごく一部の層の中で「需要と供給」がマッチしてしまい、市場全体へ影響を与えている現実がある事をヨーロッパの現状からお伝えさせていただきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本日は、ヨーロッパのコイン商から届いた貴重なレポートをお届けさせていただきました。
日本では新型コロナウイルスが流行して以降、特に2022年から物価の高騰や記録的な円安など、これまでに無いような経済的転換期を迎えています。
一方でユーラシア大陸をまたいだヨーロッパでも、ウクライナ情勢などにより厳しいインフレ状況にあることが伺えます。
弊社コインパレスでは、2020年以降多くのお客様から資産防衛のご相談を頂戴して参りましたが、ヨーロッパにおいても現物資産としてのコインの需要は増す一方です。
弊社コインパレスでは、ショールームにてコイン収集や効果的なポートフォリオなどのご相談を随時承っておりますので、どうぞお気軽にご利用くださいませ。
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