HOME > モダンコイン > スイス 1925B アルプスと少女 ブレネリ 100フラン金貨 NGC MS65
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一般価格:5,269,000 円(税込)
会員価格: 4,790,000 円(税込)2025年で発行から100周年を迎えるスイス・アンティークコインの逸品
ヨーロッパにはそれぞれの国家を象徴する擬人化された女性像が存在します。イギリスのブリタニア、フランスのマリアンヌ、ドイツのゲルマニアが特に有名ですが、スイスのそれはあまり知られていないかもしれません。スイスを象徴する女性像とされるヘルヴェティア(Helvetia)と呼ばれる女性像は「スイスの母」とも称されることもあり、長い外套を身に纏いスイス国旗の盾を携えた姿で描写されることが一般的です。そして編み込まれた髪の毛とスイス連邦の結束の象徴であるリースを掲げているのが特徴です。神格化された女神像では無いものの、スイス国家の心の拠り所としてのヘルヴェティアの神々しい姿は、大自然の舞台であるスイスの国土を想起させるものがあります。そして実際にこの「ヘルヴェティア」の名は、擬人化される前からスイス西部の古称としてずっと存続していました。紀元前1世紀ごろにヘルウェティイ族と呼ばれるケルト系の民族が現在のドイツ南部からスイスに移住してきたことがこの名称の直接的な由来とされています。その後、同民族は北上するローマ人と接触することになり、紀元前58年にはカエサルの軍隊によってスイス内陸部に押し戻されます。また紀元前15年にはローマ帝国によって現在のスイスの地にヘルヴェティア属州が設置されます。アルプス山脈とジュラ山脈に囲まれた台地からなるこの古代ヨーロッパの中央地帯は、それ以降ローマ語のヘルヴェティアの名によって一般化され、今日なおもスイス連邦を意味する古語として詩的に用いられることもあります。このような歴史的背景から、スイスは今でも「Confederation Helvetica=ヘルヴェティア連邦」と呼ばれることもあります。ヘルヴェティアは長期間にわたって平和と繁栄を謳歌しましたが、紀元260年、ドイツ人の侵攻によってローマ人たちは国外に追いやられます。その後もフランク人やドイツ人が交互にこの地を支配下に置きましたが、最終的には1291年8月1日に現在のスイスの祖であるスイス連邦が成立します。女性像ヘルヴェティアは、中央ヨーロッパで長い歴史を誇るスイスに相応しい堂々たる貫録を特徴とします。今回ご紹介させていただくコインは、1897年の初発行以降、1949年までスイス連邦の法定通貨として発行されていた金貨の100フラン仕様のものです。10フランから100フランまでの3種が存在するバリエーション豊富な通貨ですが、52年間の間に5800万枚が発行されたことが記録されています。一般的には「ブレネリ金貨」の俗称によって知られているこのタイプの金貨ですが、この名はスイス人の女性名「フレニ(Vreni)」の愛称であり、「おおブレネリ」という有名なスイス民謡でも歌われています。歌の中ではスイスの湖のほとりに住む羊飼いの少女として印象的に描写されています。コイン表面には女性像ヘルヴェティアの左向きの肖像が美しく描かれており、当コインの眼目となっています。この作品は、ヌーシャテルのメダル制作家フリッツ・ユリス・ランドリーが1895年に制作した原画に基づいて制作されたものです。この見事な肖像ゆえに人気の高いブレネリ金貨ですが、少女の編み込まれた髪の毛が素朴な魅力を醸し出しており、また背後の山々の景色がスイスの大自然を想起させる点が最大の見どころです。少女の頭上にはスイスの古称であり少女像の名前でもある「Helvetia」の語が刻まれています。そして裏面には発行年1925年の西暦とスイスの国章、また100フランの額面価と植物のリースが添えられており、スイスの法定通貨ならではの格調の高さを見事に演出しています。なお100フラン貨幣は1925年のみの限定発行であり、発行枚数も5000枚のみであったことから極めて高い希少性を誇ります。清純なアルプスの乙女を表面に描く当100フラン金貨は、発行されてから本年で100周年を迎える正真正銘のアンティーク・ヨーロピアンコインの逸品であり、コインコレクター垂涎の傑作でもあります。
品番 6079 鑑定番号 2806023001
現在のNGC鑑定数はここをクリック下さい価格 一般価格:5,269,000 円(税込)
会員価格: 4,790,000 円(税込)
グレード数 MS 65 発行限定数 5000 重量 32.258 g 直径 約 35 mm 品位 約90.0%Au 表面 アルプスと少女 裏側 スイス国章 発送元 日本国内から発送