HOME > 試作貨 > 1953-1970 エリザベス2世 ペニー 試作銅貨 UNIFACE NGC UNC DETAILS
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一般価格:308,000 円(税込)
会員価格: 280,000 円(税込)エリザベス2世の70年間の治世を彩った全5種の公式コイン肖像
2022年9月8日に96年間の生涯を全うされた故エリザベス2世。20世紀から21世紀にかけてのその栄光の治世下において、グレートブリテン連合王国は未曽有の成功を手中に収めました。英国貨幣界も例外ではなく、女王の治世の幕開けと共にモダンコインの歴史が始まり、夥しい数のコインが発行されました、女王の70年間の治世下に発表された公式コイン肖像は全5種を数えますが、約十数年間隔でリリースされたそれらのデザインは、即位当時から最晩年までの女王の時代を想起させる感動的な記念品であり、また純粋に美しさを楽しむことのできる第一級の芸術品でもあります。1950年代のロイヤルミントを代表する偉大なる女流コインデザイナー、メアリー・ギリックの最高傑作とされる「公式第1コイン肖像」は、「ヤングヤング・エリザベス」の愛称によって今日なおも親しまれています。即位当時25歳であった若々しい女王を描いたこの作品は、頭上の月桂冠、細く長く引き伸ばされた頸部などの見どころが多く、コインコレクターの間では今でも人気の高いものです。即位の翌年、つまり戴冠式の年1953年から1968年まで流通貨を始めとする全てのイギリスコインの表面を彩ってきたこの大作は、ヴィクトリア女王の即位以来115年ぶりに誕生した女性君主を迎える連合王国の歓喜を象徴しているかのようです。続いて1968年に発表された「公式第2コイン肖像」は、即位以降最初のコインデザインの変更に際して発表されたために高い完成度を見せる驚異的な作品です。42歳の時の風格みなぎる中年期の女王を描いて絶賛されたこの作品は、当時のロイヤルミントを代表するコイン彫刻家であったアーノルド・メイチンが生み出した会心の力作でもあります。40代と言ってもまだまだ若い女王の眼を見張る美しさを前面に押し出したポートレートの頭上には、英国王室屈指の秘宝「大英帝国とアイルランドの少女たちのティアラ」が見られます。元々はジョージ5世妃で女王の祖母に当たるメアリー王妃の所有物でしたが、1947年の女王とフィリップ王子の婚礼に際して王妃から女王へと伝授されたとのことです。それ以降は女王の気品を象徴するアクセサリーとして着用される機会も多く、報道を通じて一般大衆が目にすることも多かったのではないでしょうか。このティアラは、1893年にヴィクトリア女王の孫のジョージ王子(後のジョージ5世)の婚礼に際して、アイルランドの女性のみの慈善団体が募金を募って王室御用達の宝石商「ランデル・アンド・ブリッジ」に制作を依頼し、妻のメアリー王妃に献上したとされている由緒ある宝物です。その17年後の1985年には、ラファエル・マクロウフ作の「公式第3肖像・ミドル・エリザベス」が誕生します。59歳の時の貫禄漲るその横顔には、英国の顔として公務に臨まれた女王の最初の33年間の重みが感じられます。注目すべきは、ティアラに代わって新たに肖像の頭上を飾ることになった「ステート・ダイアモンド・ダイアデム」です。こちらも前述のティアラと並んで女王を想起させる重要な宝飾品として有名ですが、元来男性の君主であるジョージ4世の戴冠式のために1821年に制作されたものであることは意外と知られていない事実です。プラチナ製の荘厳な台座に1333個ものホワイト・イエロー両ダイアモンドが鏤められている壮絶な宝飾品であり、当コイン肖像においては壮年期の女王の風格を見事に際立たせています。また1998年には当時のロイヤルミントのみならず、イギリス連合王国を代表すると言っても過言ではない世界的名彫刻家イアン・ランク・ブロードリーによる「公式第4コイン肖像」が発表され、国際的な注目を集めました。何よりも写実性を特徴とするこの肖像は、ブロードリー氏ならではの精緻な表現が生々しく活かされており、20世紀最後の公式肖像として世界的な注目を集めました。そして女王の生涯最後のコイン肖像となった「公式第5コイン肖像」は、発表当時若干35歳であったロイヤルミントの最年少デザイナー、ジョディ・クラークが想像力の限りを駆使して制作した現在的な女王像として誕生しました。波打つ曲線を見せる優美な頭髪や、齢を重ねてなおも秀麗な趣を見せるその何気ない横顔からは、英国人ならではのユーモアのセンスをも感じ取ることができます。
「ヤングヤング・エリザベス」を表面に描くユニフェース仕様の大珍品の再発見
今回ご紹介させていただく作品は、エリザベス2世の戴冠式の年、1953年から1970年の間に発行された試作品としての稀少性を誇るペニー銅貨です。コイン表面には、父王ジョージ6世の崩御に際して1952年に英国王位を継承した若々しいエリザベス2世の治世初のコイン肖像が刻まれています。頭上に見られる月桂冠は、古代ギリシャ時代以降は勝利者、もしくは支配者の象徴として受け継がれてきたものですが、女性君主のポートレートの頭上に描かれることは稀であり、これ以前ではヴィクトリア女王のためのコインポートレートのそれが特に有名です。肖像の周囲には「神の恩寵によるエリザべス2世女王、忠誠の守護者」という意味の荘重な碑文が掲げられています。そして当コインの最大の注目点は、裏面に碑文が見られず、その他何も描かれていないいわゆるユニフェース仕様であることです。コインの表面のみにデザインが見られ、裏面にデザインのないこの種のコインは、英国貨幣界においては古くから製造されていました。裏面の空白には、コインの贈与者(時に君主や有力な貴族)が臣下にコインを送る際に臣下の名を刻んだり、その功績を称えて特別な碑文を刻んだりするために故意に空白のまま発行されたのではないかと推測できます。当ペニー銅貨は、女王の治世最初期の頃に試作品として創造された例外的な作品であるがゆえに、高い希少性を約束するものです。同時に、女王の治世初の公式肖像である「ヤングヤング・エリザベス」を描くユニフェース作品であるという点が今後の価格推移に影響を与えることは必至と思われます。
品番 5521 鑑定番号 6959182001
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会員価格: 280,000 円(税込)
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