HOME > アンティークコイン > 1602 エリザベス1世 1ポンド金貨 PCGS AU55 S-2539
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一般価格:13,090,000 円(税込)
会員価格: 11,900,000 円(税込)海洋覇権国家としての繁栄を謳歌する英国に君臨したエリザベス1世
1534年、議会の承認によって新たな首長法(国王至上法)が制定され、英国王の権威を飛躍的に向上させたことで歴史に名を残すヘンリー8世。自身の結婚・離婚を巡ってカトリック世界を牽引するローマ教皇との対立が顕著となり、プロテスタントの教義を基本とするイギリス独自のキリスト教であるイングランド国教会の創設に繋がります。その後の英国は短期間ではありながらもエドワード6世の治世と、プロテスタントの弾圧によって歴史上に汚名を残すメアリー1世の治世を経て、エリザベス1世による40年以上にわたる長期在位が実現します。ヘンリー8世と2番目の王妃アン・ブーリンの王女として誕生したエリザベス1世ですが、母が姦通罪で処刑されたため庶子扱いされ、長らくの間王位継承権を持たないまま成長します。父王ヘンリー8世の崩御後、長子のエドワード6世が即位しますが、義理の妹に当たるエリザベスの王位継承権は結局認めず、続くメアリー1世も強硬なカトリック支持者であったためプロテスタントとしての教育を施されたエリザベスの継承権を無視し続けていました。しかしメアリー1世は自身の崩御の際にエリザベスの正統性をなぜか認め、ここに新英国女王エリザベス1世が誕生することになります。辛酸をなめ尽くしたエリザベス1世の前半生ですが、女王となってからは国家の象徴としての自身の権威を高めることに尽力し、その功績は歴史上に深く刻まれています。その治世下における数々の功績の中でも特に1588年のスペインの無敵艦隊の完膚なきまでの撃破は後に伝説として語り継がれ、女王の名と共に伝説化しています。「グロリアーナ=栄光の女性」の異名を与えらた歴史上の人物としてのエリザベス1世ですが、生涯にわたって独身を貫いたことから「処女王」と称せられ、その治世はその後の英国史の重要な一部分としての名声を欲しいがままにすることになります。
国王の絶対的権威を復活させたエリザベス1世の統治の下に繁栄を極めた16世紀の英国
英国史の最初の記念すべき黄金期を形成したエリザべス1世の時代を、今も人々は敬意を込めて「エリザベス朝」と表現します。統治者としての女王は父王ヘンリー8世や弟エドワード6世、また姉のメアリー1世よりは幾分穏健であったと言われています。それを象徴しているのが、女王が実際にモットーとしていたとされる「我は見る、そして語らない」の文言です。ヘンリー8世が制定した国王至上法の継承は元より、新たな「礼拝統一法」の発布によって君主としての自身の権力の増大を実現します。その強大なる王権を背景として、女王の宮廷は文化の拠点としての繁栄を謳歌し、その治世下においてはエドマンド・スペンサー、クリストファー・マーロウ、ウィリアム・シェークスピア等の文学的巨星が排出され、英国文学の黄金期を形成しました。他方で、フランシス・ドレークやジョン・ホーキンスなどの優れた航海士の世界を股に掛けた活躍によって海洋覇権国家としての英国の知名度は飛躍的に向上し、19世紀の大英帝国の礎となったことは、女王の治世最大の功績として決して忘れられることはないでしょう。
400有余年前の英国の平和と幸運を表裏に刻むアンティークコインの大作
女王の生涯の最晩年の年1601年から1602年にかけての間に鋳造されたと思しき当1ポンド金貨は、在りし日のエリザベス1世の近寄りがたいほどに格調高いポートレートを表面に刻む究極のアンティークコインです。420年もの時を経てこのような美しいデザインを表裏に刻むコインが現代の我々の時代に存在すること自体が奇跡的ではありますが、これは昔から文化的歴史大国として知られていた英国にして初めて可能なことです。表面に刻まれている頭上に宝冠を戴くエリザベス1世の気高い肖像は、制海権を手中に収めた当時の英国の国家としての力量と対外的な優位を強く印象付けるものです。肖像の周囲には「神の恩寵によるイングランド、フランス、アイルランドの女王エリザベス」なる語が連なり、女王の強大なる王権を格調高く表現しています。ロンドンのナショナルポートレート・ギャラリーに所蔵されている逸品を筆頭として在世当時の女王を描く油彩画は数多く残されていますが、それらに見られる共通の要素として特徴的な襟飾りや面長な顔貌が挙げられます。当コイン表面の肖像にもそれらは顕著であり、いかにこの1ポンド金貨のそれが写実性において優れているかを如実に物語っています。また裏面にはイングランドを象徴する3つのライオンの紋章、そしてフランスをシンボライズする「フルール・ド・リス」が4分割された盾形の紋章のなかに厳かに刻まれています。その左右には女王の名前のイニシャルとラテン語で女王を示すレジーナの省略形から成るロイヤルサイファが気高く刻まれています。さらにその周囲には「忠誠の盾が彼女を守護する」という意味の碑文が見られ、女王の王権の正統性を証明しています。英国史の黄金期の幸福感に満ちた空気を反映する当1ポンド金貨ですが、いにしえの女王エリザベス1世の限りない栄光を讃えると共に、女王の統治の下に空前の繁栄を謳歌することになるその後の英国の大成を窺わせる野心作でもあります。奇跡的に21世紀に生き残ったこの例外的なアンティークコインの大作を手にして、400有余年前の英国の幸運を生々しく体感していただきたいものだとつくづく思います。
品番 5149 鑑定番号 49096027
現在のPCGS鑑定数はここをクリック下さい価格 一般価格:13,090,000 円(税込)
会員価格: 11,900,000 円(税込)
グレード数 AU55 重量 11.03 g 直径 約37mm 表面 エリザベス1世肖像 裏側 紋章を描いた盾・ER 発送元 日本国内から発送