HOME ＞ アンティークコイン ＞ 1817 ジョージ3世 1・2・3・4ペンス 銀貨4点セット NGC MS63・64
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一般価格：330,000 円(税込)
会員価格： 300,000 円(税込)英国を愛し、英国人としての矜持を保ち続けたジョージ3世
ステュアート朝の終焉と共にイングランドに興ったハノーヴァー朝の第3代国王として王位を推戴されたジョージ3世。英国史全体を俯瞰する時、ジョージ3世とその治世ほどに賛否両論を巻き起こし、厳しく批判され、時に誤解から派生した更なる誤解によって印象付けられている例は他に存在しないということに気付きます。先代と先々代が築き上げた王朝の安定した基盤を継承した国王でしたが、その全在位期間を通じて英国は世界史の修羅場に遭遇することになります。とりわけ1780年代に起こったアメリカ独立戦争での敗退による英国の既得権益の喪失は王室の権威を揺るがせる事態を招くと共に、英国本国における王権の縮小と議会の権限の強大化に繋がります。1789年に勃発した大革命によって王制を廃止するに至ったフランスでしたが、後に全ヨーロッパの脅威となるナポレオン・ボナパルトの台頭を容認してしまいます。そしてジョージ3世の治世後半の英国もまた、その後約20年近く継続されるナポレオン戦争に翻弄されるに至ります。英国にとってのこの一大転換期に、生来の沈着冷静な性格によって国王としての任務を果たし、常に国益を重視しながら英国の歴史的権威の復活を成就したジョージ3世。英語を解せず、政治に興味を示さなかったドイツ生まれの前国王とは異なり、イングランド生まれのジョージ3世は英国人としての自覚を持つハノーヴァー朝初の国王として、その名は英国史上に深く刻まれています。王の英国に対する熱烈なる愛国心は、即位後初の議会演説の一語一句に込められています。「この国において生を受け、教育を施された私は、英国の名を誇りとする」と声高らかに宣言し、満場の喝采を受けた新国王は、その後59年間にわたる長期在位によって英国史に記憶されるに相応しい自身の権威を確立します。2020年に英国ロイヤルミントが発行したジョージ3世のための記念コインは、没後200年の時を経て英国が王の生前の功績を讃えてその追憶に贈った記念品で、改めてその全治世が評価の対象となり各界の注目を集めました。
意外と知られていない教養人としてのジョージ3世の存在感
没後200年間を通して、史的分析による王の生涯に関する考察は完全に様変わりしたと言えます。これは王の没後しばらくの間は、歴史学者が入手することのできる文献が限定されていたことや、歴史的な実証を欠く偏見に起因するものと見られています。一例を挙げますと、1780年代の独立戦争以降長らくの間、アメリカ合衆国でのジョージ3世の評価は不当に低く、文献上においても典型的な暴君として紹介されているに過ぎませんでした。また、即位するまでの王の人生にスポットを当てる記述自体が大変少なかったというのが事実のようです。意外と一般的に知られていないことですが、在世当時の王はその時代を代表する教養人であり、文化の庇護者としての役割を十全に果たしていたことが当時の記録から徐々に明らかとなっています。現存する家族の書簡によりますと、王は8歳にして英語とドイツ語での読み書きを可能とし、さらに驚異的なことに、当時の政治事件についてコメントする能力を持ち合わせていたとのことです。科学を系統的に学んだ英国史上初の国王であったジョージ3世は、科学と物理学のほか、天文学、数学、フランス語、ラテン語、歴史学、音楽、地理、商業、農学、憲法を修め、イングランド国教会による宗教学に関する進講も受け、自身の教養を深めることに専心していました。その全治世を通じて国家から支給される王室費が頻繁に増額されていたこともあり、王は自身の判断によって王立芸術院に多額の助成金を与え、芸術のパトロンとしての役割を果たしていました。今もバッキンガム宮殿の内部を飾る美術品コレクションを形成する古今東西の名画の数々はジョージ3世の時代に収集されたものが多く、その中でも最も特筆に値するものとしてオランダの巨匠ヨハネス・フェルメールの「音楽の稽古」とカナレットの作品群が挙げられ、生前の王の鑑識眼の高さを物語っています。
200年の時を経ていぶし銀の色彩をまとうジョージ3世時代の銀貨4点セット
今回ご紹介させて頂く1ペンスから4ペンスまでの銀貨4種のセットは、ジョージ3世の栄光の治世の記念品としての価値を持つ歴史的なアンティークコインセットです。1816年に制定された新貨幣法は、金と比較したポンドの価値を定義しました。この新法は、フランス大革命とナポレオン戦争の影響によって不安定になっていた英国の経済を再構築する事業の一環として考案されたものでした。英国貨幣の新時代の幕開けを印象付けるために、ロイヤルミントは国王の新しいコイン肖像のデザインを当時英国貨幣界において隆盛を極めていたイタリア人デザイナー、ベネデット・ピストゥルッチに依頼します。新法の制定と同じ1816年にリリースされたこの有名な肖像は、その太い首によって「ブル・ヘッド」の異名を取り一時的には人気を集めたものの、その評価は賛否両論に分かれます。治世後期には病に侵されていたジョージ3世が実際に制作者の前にモデルとして座ること事は無かったと伝えられていますが、ピストゥルッチの力強い表現力はこの作品において遺憾なく発揮され、生前の王の精気みなぎる存在感を生々しく描写しています。しかし余りにも評価が低かったため、翌1817年にピストゥルッチは若干頭部のサイズを縮小した新しい肖像を完成させました。当コインセットに含まれる4枚のコインの表面に描かれているのは正にこの1817年版ポートレートで、1816年版「ブル・ヘッド」の感動的な迫力はそのままに、より洗練された個性的な魅力を湛えています。王の頭部を飾るのは古代ギリシャ時代以降勝利者の象徴とされる月桂冠で、王の君主としての風格を表現しています。それぞれの銀貨の裏面には1ペンスから4ペンスまでの貨幣価値を示す大きな数字が刻まれています。そしてそれぞれのコインの表面から裏面には、王の崇高な身位を示す重厚なラテン語碑文が厳かに刻まれています。まず表面には「神の恩寵によるジョージ3世」、そして裏面には「グレートブリテン国王・忠誠の守護者」の文言が綿々と連なります。そして裏面の上部にはデザイン全体に威厳を与える巨大な王冠が描かれており、英国王室の永遠の栄光を力強くシンボライズしています。今日コイン市場において、これら4点のコインをセットで入手するチャンスはほぼ皆無ではないかと思われます。200有余年の歳月を経ていぶし銀の色彩をまとうアンティークとなったこの美しいコインセットは、在りし日のジョージ3世の遺徳を讃えるべく奇跡的に21世紀に継承された正真正銘の歴史的遺産です。
品番 288 鑑定番号 
1714473008
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会員価格： 300,000 円(税込)
グレード数 MS 64 品位 約92.5%Ag（スターリングシルバー） 発送元 日本国内から発送 -
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