1996 エリザベス2世 ミドルエリザべス 女王誕生70周年記念 5ポンド金貨 PCGS PR70DCAM 箱付き

若き日の国民との約束を果たされた英国女王エリザベス2世超然の誕生70周年

1926年4月21日、この日全イングランドは未来の女王を迎え入れました。時の国王ジョージ5世の孫として誕生したこの王女はエリザベスと名付けられ、幼少期には父ヨーク公爵アルバート王子（後のジョージ6世）と母エリザベス（後のエリザベス皇太后）によって比較的普通の家庭環境で育てられたと言われています。しかし王女が10歳の時に運命は大きく転換します。祖父ジョージ5世の崩御と共に新英国王として王位を継承した叔父のエドワード8世は、離婚歴のあるアメリカ人女性と浮名を流した後に退位を決意し、夫人との結婚を選択するに至ります。病弱であった父は叔父の後を受けて新国王となり、同時に王女は次期王位継承権保持者として帝王学を授けられることになります。王女であった時代から公務に余念のなかったエリザベスでしたが、公務先の南アフリカ・ケープタウンにて21歳の誕生日を迎えた際には、大英帝国全土に向けたラジオ放送にて次のような誓いを立てます。「私は、私の全生涯を、我々が属するこの偉大な、尊厳のある国家に捧げる決意であることを宣言いたします。」と述べ、その後半世紀以上にわたってその約束は果たされることになります。1952年2月6日はエリザベスにとって運命の一日となります。公務で滞在していたケニアにおいて父王の突然の訃報を受け取った王女は、その死を悲しむ間もなく帰国を余儀なくされます。今や押しも押されぬ大国の女王となったエリザベスは英国の表玄関ヒースロー空港に到着し、全国民の前に新女王として初めて姿を現すことになります。そして翌年には世紀の戴冠式を迎え、名実ともにイギリス連合王国並びに連邦の宗主としての権威を強く印象付けます。

女王お気に入りの離宮ウィンザー城を裏面に描く誕生70周年記念5ポンド金貨

1996年に発行された当5ポンド金貨は、君主エリザベス2世の誕生70周年を祝して英国を代表する造幣機関であるロイヤルミントが発行したアニバーサリーコインの極致です。コイン表面に描かれているのは、1970年代から80年代にかけてロイヤルミントを代表する芸術家として活躍したラファエル・マクロウフの代表作で、通称「ミドル・ポートレート」と呼ばれている「エリザベス女王の第3肖像」です。ここでは即位と共にリリースされた「ヤングヤング・ポートレート」や、それに続く「ヤング・ポートレート」に表現されていた鮮烈な魅力は後退するものの、それまでには見られなかった50代を過ぎた頃の女王の風格を余すところなく表現しています。女王の頭上に輝くのは伝説の「ステート・ダイアモンド・ダイアデム」ですが、これは1821年のジョージ4世の戴冠式のためにロンドンの宝石商が制作したことで知られています。ウィリアム4世の治世下にアデレード王妃が継承したこのダイアデムは、その後歴代英国女王と王妃によって受け継がれて来ました。現在の所有者はエリザベス2世で、マスコミで目にする機会の多い宝飾品でもあります。全世界に広がる一大国家の宗主としての貫禄を前面に押し出すその表現力豊かなポートレートは、一世を風靡した名彫刻家マクロウフが才能の限りを尽くして創造したコイン肖像の大作です。コイン裏面には女王がこよなく愛するウィンザー城の遠景が描かれており、英国国旗ユニオンジャック、エリザべス女王旗、王室旗と共に女王の誕生年1926年と70周年を示す1996年の西暦がバナーに刻まれています。数百年にわたる英国王室の変遷を見届けてきたウィンザー城ですが、ジョージ4世の時代の大改修を経て2002年の大火の後に今日見られる姿に改められました。表面の女王の肖像は英国の過去の栄光を見事に表現しているように見受けられますが、それに対して裏面のウィンザー城の風景は現在と未来の王室像を鮮明に映し出しているかのようです。女王の超然の誕生70周年を記念する当コインは、その表裏に英国王室の権威を掲げる想像性豊かなアニバーサリーコインです。

品番	1122
鑑定番号	80827007 現在のPCGS鑑定数はここをクリック下さい
価格	一般価格：1,980,000 円(税込) 会員価格： 1,800,000 円(税込)
グレード数	PR70DCAM
重量	39.94ｇ
直径	38.61mm
品位	約91.7%Au（K22）
表面	エリザベス2世　第3肖像
裏側	五つの旗とウィンザーの遠景
発送元	日本国内から発送