
「シーモアのユニコーン」はヘンリー8世の3番目の妻、ジェーン・シーモアに捧げられた作品であり、彼女は例外的に王の寵愛を一身に受けていました。その甲斐あってか、ヘンリー8世の直系としては唯一の男子であるエドワード6世を授かりました。
ユニコーンは空想上の動物であり、古来、頭部に長い角を持つ獰猛な姿として描写されてきました。幻想的なオーラを纏うことから、特に中世以降のイングランドでは造形芸術や文学作品の主題として頻繁に取り上げられてきました。
今回のバージョンには、より開放感のある健康的な描写を特徴とする躍動感漲るユニコーン像が見られます。また、その胸元には、所有者のジェーン・シーモアの出自を示すコート・オブ・アームズが刻まれた盾形の紋章が描かれています。