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イギリス史の中でも最も古く、
有名な守護獣の「イングランドのライオン」

最も象徴的な紋章学上の動物として知られている「イングランドのライオン」ですが、その起源は少なくとも12世紀にさかのぼり、以降王室の盾の紋章の一部分として常に別格の扱いを受けて来ました。
コインの裏面には、百獣の王ライオンの獰猛かつ勇壮な肢体を感動的に浮かび上がらせており、背筋の伸びる思いがするほどです。
ライオンが胸に掲げるシールドにはハンプトンコート宮殿の主であったヘンリー8世と王の寵愛を一身に集めた王妃ジェーン・シーモアの紋章を複合したテューダー朝独自の紋章が刻まれています。
自尊心と勇気の象徴とされるこのライオンのトレードマークが頭上に戴く王冠であることからも想像できますが、自然界の王者ライオンを至高の王権を掲げる英国君主になぞらえることは自然の理に適っています。