
ヘンリー8世の依頼によって設置された警戒心あふれるグレイハウンドは、ヘンプトン・コート宮殿の堀橋(モート・ブリッジ)に堂々と立ち、国王の紋章を支える重要な役割を果たしています。
このグレイハウンドは、王の権威と正統性を象徴する存在として配置されており、他の堀橋の獣たちと一線を画しています。
その特徴のひとつとして、リッチモンドのグレイハウンドは、ヘンリー8世がこよなく愛した競技のひとつである馬上槍試合(ジョスト)で使用される特別な盾を抱えています。この盾は、戦場だけでなく、宮廷文化における騎士道精神や名誉を表すものであり、当時の王侯貴族にとって非常に重要な意味を持つものでありました。