2023 チャールズ3世 戴冠記念 聖ジョージ竜退治 特別発行5ソブリン金貨 NGC PF70UC

鬼才ピストゥルッチの天分が発揮された傑作「聖ジョージの竜退治」

19世紀の英国貨幣界に彗星の如く姿を現した不世出の才人ベネデット・ピストゥルッチ（1783-1855）。１９世紀初頭の全ヨーロッパを巻き込んだナポレオン戦争終結後に、当時のロイヤルミント主任の招きに応じてイングランドに渡ってきたこのイタリア人彫刻家は、同世代のもう一人の著名なデザイナー、ウィリアム・ワイオン（1795-1851）と並ぶ大家として、貨幣史上での人気を二分する存在です。コイン彫刻の分野で大成したワイオン一族の末裔であるワイオンは、堅実な仕事ぶりと職人肌の気質によってイングランド貨幣界での地位を確立しつつありました。ワイオンはまた、時の君主ヴィクトリア女王のお気に入りのコインデザイナーとして「ヤングヘッド」「ゴチッククラウン」等の傑出したポートレートを創造したことでも知られています。一方のピストゥルッチは、イタリア出身の芸術家の独壇場であるカメオ細工の技法を活かした精巧な彫刻や、とりわけ華麗なメダルのデザインによって一世を風靡し、ロンドン社交界の人士をパトロンとして人気を博していました。2人の大彫刻家を擁していた19世紀当時のロイヤルミントは、創立以来1000年の長い歴史の中での最盛期を築きつつあったといえます。コインデザインの魔術師、または鬼才として歴史上に名を残したピストゥルッチは、破天荒な性格と超人的な芸術性によって英国貨幣界を改革した芸術家でもありました。そしてピストゥルッチの生涯の最高傑作として知られているのが、ローマ時代の殉教者として名を残す聖人ゲオルギウスの伝説に材を取った名作「聖ジョージの竜退治」です。馬上の聖人が悪を象徴するドラゴンを槍で退治する場面を描くこの颯爽たるデザインは、何よりも臣民を導く君主の姿を想起させるものです。それゆえに歴代国王のためのソブリン貨を始めとする重要なコインのデザインとして用いられ、今日まで継承されています。19世紀初頭のイギリスでは、ナポレオン戦争後の経済的困窮を解決するための対策として、金本位制に基づく新たな貨幣制度が導入されました。その際に発行された新貨幣の意匠の一つとして考案されたのがこの「聖ジョージの竜退治」でした。以来200有余年にわたって受け継がれ、今日なおも英国貨幣界を代表する傑作として世界を魅了し続けています。

表裏に描かれた王室を象徴するデザインが実物資産としての将来性を約束するモダンコインの至宝

2022年9月の代替わりに際して英国王位を継承したチャールズ3世。前国王エリザベス2世の栄光の長期在位ゆえに、国王のこれまでの王太子時代の功績は意外と一般に知られていなかったのが実情です。社会的に困窮する若者をサポートするために王太子時代のチャールズ国王が設立したPrince’s Trust財団は、これまでにも多くの教育と雇用の機会を与えてきました。芸術や文化に造詣の深い国王はまた、多くの財団や共同体の後援者としても活躍し、時には母エリザベス2世の名代としても世界各国を公式訪問し国際親善にも努められ絶賛を博しました。今回ご紹介のコインは、チャールズ3世による新時代の幕開けを記念するに相応しい戴冠記念5ソブリン金貨です。エリザベス女王の喪が明けた翌年2023年の5月6日に戴冠式を挙行した国王ですが、これまでの慣例に従ってコイン裏面に新たな時代を象徴する「聖ジョージの竜退治」が描かれたソブリン金貨が発行されたことは、伝統の継承という観点からも誠に喜ばしいことであると言わざるを得ません。コイン表面には左向きの「公式第1コイン肖像」が描かれており、その頭上には戴冠記念の特別版であることを証明する宝冠が見られます。ロイヤルミントの名匠マーティン・ジェニングスの精妙な描写力が存分に発揮されたこの作品は、現代屈指の傑作コインポートレートとして既に確固たる地位を確立しています。コイン表裏に王室を象徴するデザインを描く当コインは、長い歴史に裏付けられたイギリスの伝統を実物資産としての価値に置き換えることのできるモダンコインの至宝に他なりません。

品番	5217
鑑定番号	6768541006 現在のNGC鑑定数はここをクリック下さい
価格	一般価格：1,089,000 円(税込) 会員価格： 990,000 円(税込) 商品についてのお問い合わせ
グレード数	PF 70 ULTRA CAMEO
最大発行数	1080
重量	39.94 g
直径	36.00 mm
品位	約91.7%Au（K22）
表面	チャールズ3世
裏側	聖ジョージ竜退治
発送元	日本国内から発送