HOME > アンティークコイン > 1871 ヴィクトリア女王 ヤングヘッド ソブリン金貨 NGC MS64
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一般価格:528,000 円(税込)
会員価格: 480,000 円(税込)「君主」を意味する英国の法定金貨としてのソブリン金貨の歴史的変遷
「君主」を意味する名称を持つ英国の法定金貨として、ソブリン金貨が英国史上に初めて登場するのは1489年のヘンリー7世の時代のことでした。それまで英国法定金貨の主流とされていたエンゼル金貨に代わって新たに流通することになったソブリン金貨表面には、君主の座像が描かれていたことが名称の由来です。20シリングと等価とされていた当時のソブリン金貨は、ヘンリー8世の時代には22シリング6ペンスと等価とされるようになり、さらにエリザベス1世の時代には30シリングと等価と改められ、その価値は大幅に更新されることになります。しかしエリザベス1世に継嗣が誕生しなかったことからテューダー朝の崩壊へと繋がり、英国貨幣界もまた大きな転換期を迎えることになります。大型で見栄えのする外観を特徴とするソブリン金貨の評価は常に高かったものの、次代のジェームズ1世の即位の翌年、つまり1604年には完全に廃止され、新たに考案されたユナイト金貨が英国法定金貨の首位を占めるようになります。ユナイト金貨もまた20シリングと等価と設定されていましたが、ソブリン金貨との最大の違いはそのデザインにあり、それまでのような玉座に座る正面向きの国王の肖像ではなく、国王の横顔が描かれるようになりました。また今日英国金貨の最高位とされるソブリン金貨は全く別のもので、19世紀前半まで主要な法定金貨の役割を果たしていたギニー金貨に代わって新たに考案され、「ソブリン」という名称のみを付与されたものでした、ナポレオン戦争後の英国国内の経済は混迷状態にあり、それを再建するために導入された金本位制の過程において新規で発行されたのがこの新しいタイプのソブリン金貨でした。以降、今日まで代表的英国金貨と見なされているこの貨幣は、特に19世紀中盤以降のヴィクトリア期の最盛期おいて、大英帝国の繁栄を象徴する金貨として世界中で絶大な信用を獲得していました。1837年に即位したヴィクトリア女王初の公式コイン肖像「ヤングヘッド」を掲げるソブリン金貨が初めて発行されたのは、女王の戴冠式が挙行された1838年のことでした。1887年の女王の在位50周年「ゴールデンジュビリー」に際して「ジュビリーヘッド」の呼称を持つ新たな肖像が制作されるまで約半世紀もの長きに渡って英国コインの表面を飾っていた「ヤングヘッド」でしたが、ヴィクトリア朝後期の英国を舞台とする作家コナン・ドイル(1859-1930)の作品「ボヘミアの醜聞」においても重要な役割を果たす小道具として効果的に登場し、読者に強い印象を与えました。
傑作コイン肖像「ヤングヘッド」を刻むヴィクトリアン・アンティークコインの代表作
今回ご紹介させていただくソブリン金貨は金本位制採用後のヴィクトリア期のもので、1862年に発行されました。表面にはヴィクトリア女王の左向きの肖像「ヤングヘッド」が描かれていますが、未だあどけなさが残る18歳当時のヴィクトリア女王の横顔の張り詰めた表情が深い感動を誘います。19世紀初頭の英国貨幣界に君臨した偉大なる彫刻家ウィリアム・ワイオンのキャリア初期の大作として知られるこの作品は、ワイオンの女王に対する敬意と女王のワイオンに対する信頼が生んた稀有の傑作として、永遠の生命を保有しています。コイン裏面中央には四分割された盾形の紋章が配されており、その中にはイングランドの三匹のライオン、スコットランドの単身のライオン、そしてアイルランドの竪琴が挿入されており、さらに盾の上部には大型の王冠、さらに盾の周囲には植物のリースが掲げられています。その周囲には表面の碑文の続きと思しき一文が見られ、「大英帝国女王・忠誠の守護者」という意味になります。表裏共にソブリン金貨ならではの純粋にオーソドックスなデザインを刻む当コインは、160年以上もの歳月を経た正真正銘の英国アンティークコインとしての価値を持つ名貨であり、今後もソブリンの名に相応しく、コインマニアの垂涎の的として英国貨幣界に君臨し続けることでしょう。
品番 5020 鑑定番号 6633158008
現在のNGC鑑定数はここをクリック下さい価格 一般価格:528,000 円(税込)
会員価格: 480,000 円(税込)
グレード数 MS 64 重量 約 7.98g 直径 約 22.05mm 品位 約91.7%Au(K22) 表面 ヴィクトリア女王 裏側 紋章 発送元 日本国内から発送