HOME > アンティークコイン > 1662 チャールズ2世 ブロード金貨 PCGS MS61 S-3337A North-2780
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一般価格:6,578,000 円(税込)
会員価格: 5,980,000 円(税込)困難を超越して王位を我がものとした英雄チャールズ2世の生涯
激動の17世紀初頭のイングランドに生を受けたチャールズ2世。1640年代を震撼させた清教徒革命の嵐は、1649年1月の国王チャールズ1世の処刑という未曽有の結末によって終わりを告げます。ここに英国憲政史上最初にして最後の共和政政府が樹立され、オリバー・クロムウェルを頂点とする新たな体制が敷かれることとなります。処刑された国王の長男であった王太子(後のチャールズ2世)は国外に退避しますが、これはその後の長期間にわたる亡命生活の始まりでもありました。しかし、当初安泰と思われた共和政府による国家の運営は次第に弱体化し、1658年のクロムウェルの急死によって唐突に結末を迎えます。その間、スコットランドの援軍を伴ってイングランドへの最上陸を果たした王太子は、1660年には共和政府から主権の奪還に成功します。そして翌1661年にロンドンのウェストミンスター寺院にて戴冠式を挙行し、新国王チャールズ2世として、名実ともに君主としての権威を手中に収めます。1660年の王政復古によって幕を開けたチャールズ2世の治世は、その後25年間にわたって充実した時を謳歌します。対外的には波乱続きの時代でもあり、とりわけフランスとの関係悪化や、それに続く亀裂は免れ得ないものでした。それに対して国内の行政は比較的安定しており、束の間の平和を享受することになります。1666年に起こったロンドン大火の際には、国王自らが先頭に立って消化活動を促進しましたが、常に国民と苦楽を共にするという姿勢を生涯にわたって崩さなかったチャールズ2世。他方で、その長期在位が抱えていたのは深刻な後継者問題でした。艶福家として知られていた在世当時の国王でしたが、生まれてくる子供たちは庶子ばかりであったため、国王の実の弟であったジェームズがジェームズ2世として即位し、イングランドは新たな局面を迎えることになります。
激動の時代の空気を封印するブロード金貨の傑作
クロムウェルによる共和政時代の1656年に初めて世に出たブロード金貨は、次のチャールズ2世の時代にも継続的に発行されていました。今回ご紹介させていただく作品は、王政復古の2年後の1662年に発行された珍しいブロード金貨です。表面にはチャールズ2世の左向きの肖像が描かれており、威風堂々たる趣です。肖像の頭上には月桂冠が冠せられており、王政復古を成就した勝利者としての国王の権威が感じられます。肖像の周囲には「神の恩寵による国王チャールズ、グレートブリテン、アイルランドとフランス国王」と定型の碑文が連なっています。裏面には四分割された盾形の紋章が見られ、その中には連合王国各国の紋章が挿入されていて圧巻です。その上部には大型の王冠が見られ、至高の英国王位を象徴しています。このコイン上の肖像は左向きですが、チャールズ2世時代のコイン肖像の向きは左右どちらも存在します。王政復古後、当初は左向きのもののみが主流でしたが、父を処刑に追いやった宿敵クロムウェルの肖像もまた左向きのもののみが残っていたため、それに背を向けるという国王自身の意思表示のためか、右向きのものが新たに制作されるようになったという逸話が残っています。チャールズ2世時代に始まったこの習慣はその後も歴代国王によって継承され、左から右へ、またその反対というように、代替わりに際して変更されるという手法が定着しました。英国史上未曽有の混乱期に英国を支えたチャールズ2世の時代の記念品としての当コインの歴史的価値は絶大ですが、共和政から王政復古期にかけての時代の躍動感あふれる空気がその黄金色に封印されているように思えてなりません。
品番 4989 鑑定番号 46277296
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会員価格: 5,980,000 円(税込)
グレード数 MS61 直径 約28.5 mm 表面 チャールズ2世 裏側 王冠と紋章の入った盾 発送元 日本国内から発送