2024 チャールズ3世 神話と伝説シリーズ第4弾 ロビン・フッド 5ポンド2オンスプルーフ銀貨 未鑑定 箱付き

英国が生んだ不世出の英雄ロビン・フッドの満を持してのコイン上でのデビュー

英国の真の伝説として今日まで受け継がれているアーサー王の物語をコイン上にてデザイン化し、瞬く間に傑作モダンコインの仲間入りを果たしたロイヤルミントによる「神話と伝説シリーズ」第1・2・3弾。そしてこの度、その待望の第4弾を迎えることになった英国貨幣界は、英国にとってのもう一つの偉大なる伝説であるロビン・フッドのロマンティックな物語を世に送ります。数えきれないほど多くのエピソードに枝分かれして語り継がれているこの伝説の主軸を成すのは、不世出の英雄ロビン・フッドの変転極まりないエピソードであり、悪しきを懲らしめて弱者を救済するいわゆる勧善懲悪的な内容を最大の特色としています。ロビン・フッドが歴史上に実在したかどうかについての議論は中世以来ずっと続いており、「1241年没」という伝承もありますが、残念ながら実在を裏付ける確かな証拠は残されていません。しかし、当時のイングランドにそれらしき数人の人物が存在したことも確かであり、それらの複合体として最終的にロビン・フッドが生み出されたことは大いに考えられます。イングランドの伝説では、ノルマン・コンクエスト後にノルマン人に抵抗するアングロサクソン人農民の姿で描写されることの多かったロビン・フッド。また、英国の古い文献上に挿入されていた、時にアウトローを代表する盗賊として、また時には「大股のロビン」とあだ名されて万人に親しまれていたロビン・フッドを描く伝説は、14世紀のウィリアム・ラングランドの長編詩「農夫ピアーズの夢」の作中において初めてまとまった物語として発表されました。「大柄な弓矢の達人」として描写されるようになったのは比較的最近の19世紀以降のことであり、いつの間にかイングランドのノッティンガムのシャーウッドの森に住むアウトロー集団のリーダーにして盗賊という役柄を与えられていたことは興味深いことです。今日、緑色の服をまとう森の英雄として描かれることの多いロビン・フッドの基本的なイメージは、20世紀以降のアメリカ映画や子供向けの童話集の影響によるところのものであることは間違いないでしょう。とりわけ1991年に公開されたケヴィン・コスナー主演のハリウッド映画が世界に及ぼしたインパクトは大きく、現在我々が抱くロビン・フッド像の原型として長く愛されており。英国が生んだこの不世出の英雄の伝説を恒久化することに著しい貢献を果たしました。

歴史に裏付けられた実力を有するロイヤルミントが創造する伝説的な英雄像

英国貨幣上にロビン・フッドが描かれる初の機会となるこの度の「神話と伝説シリーズ」第4弾ですが、前回のアーサー王コレクションと同じく、このロビン・フッドコレクションも三部構成によって展開される予定であることが既に発表されています。主役ロビン・フッドを描くこの度のバージョンの後、物語に登場する他の主要な人物たち、ロビンの恋人として描写される乙女マリアンとロビンの片腕として大活躍するリトル・ジョンを描くコインが今後続けて発表される予定です。今回ご紹介させていただくコインの裏面には、「大股のロビン」や「弓の名人」等のロビン・フッドを象徴する呼称の集約とも言える魅力的な英雄像が描かれています。中世英国に誕生し、同国の伝説として受け継がれてきたロビン・フッドの物語が英国コイン上に姿を見せることに違和感はありませんが、それによってこの不世出の英雄が一層世界的に認知されるきっかけとなることは英国貨幣界にとっての栄誉であるといえます。コイン表面には、2022年9月の代替わりに際して英国王位を継承した新国王チャールズ3世の「公式第一コイン肖像」が掲げられています。前国王エリザベス2世の公式肖像が右向きであったため、チャールズ新国王の肖像は左向きとなっています。代替わりに従って君主の肖像が逆向きに変更される英国貨幣界ならではの風変わりな習慣の始まりは、1660年に王政復古を成就したチャールズ2世の治世にさかのぼるとのことです。父チャールズ1世を処刑に追いやったイングランド共和国の護国卿オリバークロムウェルの肖像が左向きであったため、それに背を向けるという意思表示のために、チャールズ2世が自身の肖像を右向きに変更したことがこの習慣の始まりであったとされています。74歳と高齢で即位した現国王チャールズ3世ですが、この作品の生みの親であるマーティン・ジェニングスが創造した当肖像は、素顔の国王を情感豊かに描き出し好評を博したばかりか、国王自身の愛顧をも得ることができました。新たな君主の時代を迎えて、一層経験に裏付けされた実力を発揮するロイヤルミント。同機関が英国の永遠の英雄の理想像と風格を余すところなく描き出す当コインは、21世紀のモダンコインならではの新鮮な魅力によって広く万人に愛されることでしょう。