アメリカ 2022 干支虎年 1オンス 銅メダル 【1枚】 (コインケース付き)

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しなやかでありながらも力強いダイナミズムを秘めた虎を描く地金型銅メダルの極致

世界第2位の経済大国として大躍進を遂げた21世紀以降の中国。驚異的なスピードで前進する中国の過去に世界が目を向け始めたのもまた、時遅くも21世紀以降のことでした。過去5000年もの長い歴史を有する中国文明を集約する干支の概念の起源は古く、殷王朝時代にさかのぼります。元々暦の表記法として考案された干支でしたが、中国史上初の統一王朝として建国された秦の始皇帝の時代になりますと、12種の動物の性質に当てはめて解釈する十二支が産声を上げ、急速な発展を遂げます。我が国日本には仏教の伝来と共に伝わったとされていますが、弥生時代後期から奈良時代にかけて渡来人たちが部分的にもたらしたのではないかとの説も存在します。中国やベトナムなどの東アジアにおける儒教を中心とする東アジア文化圏において受容されてきた背景を持つ干支ですが、中国の干支では豚とされている干支が我が国日本では猪と島国固有の動物に置き換えられているように、国によってその解釈に若干の差異が見られることもあります。人間の人生や性格、また一年の運勢などを予見する干支・十二支の思想は、発生した古代とそれを受け継ぐ現代を繋ぐ貴重な文化遺産でもあります。しかしこの中国固有の文化の東アジア以外の国々への伝播は比較的遅く、21世紀以降の中国の経済成長に伴い諸外国が注目し始めたことが大きなきっかけでした。1100年もの長大な歴史を有するイギリス最古の造幣局として知られるロイヤルミントが近年発表した「干支コインコレクション」は、干支・十二支が決して中国の専有物ではないことを見事に証明しました。それどころか、普遍的な文化としての干支の多彩な魅力に着目し、本家の中国に敬意を表しつつも、干支本来の可能性をコインデザインによって引き出した功績は計り知れません。コレクションが取り挙げた12種の動物が西洋人に馴染みのある動物ばかりであったことも決して偶然ではなく、同コレクションが大成功を収めた直接的な理由として挙げられます。またそれら個々の動物の写実的な描写がコレクションの眼目であり、中国的な価値観を超越する普遍性を見出しています。年が変わる度に一作づつリリースされる干支コレクションならではの豊富なラインアップも多分に魅力的であり、実物資産としての有益性をクローズアップしていたことも成功に繋がった決定的な要因とみてよいのではないかと思われます。その後、世界各国の造幣局が挙って類似作品を発表し、コインによる空前の干支ブームを巻き起こしましたが、今回ご紹介させていただく作品はそれらとは一線を画するものです。アメリカ合衆国のゴールデン・ステート・ミントが丹精を込めて制作した干支を題材とする地金型銅メダルコレクションの最新作は、2022年の寅年に捧げられます。干支において動物の虎が意味する性質は多種多様ですが、その根底には極度の集中力とそこから生じる安定感が横たわっています。粘り強い努力を惜しまず、目標に向かって前進する虎の孤高の姿は、万人の理想形でもあるはずです。そして寅年全体を見渡しますと、それまでの着実な努力が報われたり、物事の成就の年になることが多いようです。努力が報われた後の幸運を象徴する虎ほどに理想の高い動物は存在しないことでしょう。当メダル表面に描かれている虎もまた、しなやかでありながらも力強さを秘めたダイナミズムを感じさせます。メダル裏面には、コレクションの全てのメダルに共通する全12種の動物が網羅されたデザインが付されていて圧巻です。それぞれの動物が個性豊かに描かれており、何度観ても飽きのこないものばかりです。動物たちの中央には縁起の良い福の文字が見られますが、中国が生んだ干支がいかに人生に幸福をもたらすものであるかを如実に物語っているようです。背後の山の情景と共に静寂感を湛えた虎が醸し出す絶世の俯瞰図をどうぞ心ゆくまでご堪能ください。