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【収集の手引き】 第7章―預金封鎖と自衛策(4)

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預金封鎖と新紙幣への切り替え

日々、コロナのニュースに胸をいためつつ、令和がスタートし、どことなく晴れやかであった2年前の5月を思い起こしております。今もなお、一部の地域が緊急事態宣言下にあるなどと、誰が想像していたでありましょう。

ところで、一昨年4月新元号「令和」の発表からほどなくして、2024年に新札が発行されるというニュースがありました。新元号の発表に続いての突然の報道に、驚きはしたものの新札に対しても概ね受け入れるという意見が多いように感じました。

しかし、タンス預金派からは両替が面倒だという意見もあります。最近、増えつつあるタンス預金のあぶり出しに、新札発行が効果的であるというのは、まぎれもない事実です。

私どものお客様の中には、もっと切実な危機感をお持ちの方がいます。とあるご高齢の女性が、「終戦直後の新札切り替えの際に、財産の9割以上を没収されてしまったことを思い出した」と、教えてくださったのです。

1946年、第二次世界対戦後のインフレ時に、新しい円への切り替えが行われ、その時、預金の引出しに制限がかけられたのです。いわゆる預金封鎖です。当時は終戦直後の物のない時代、国の借金増とインフレのダブルパンチ。このままでは国が立ちゆかなくなると政府は荒療治に踏み切ったのです。

一日に引き出せるお金の上限が定められ、期間内に新しいお金に切り替えられず銀行に残ったお金は、なかったものとされてしまいました。それだけではありません。財産税なる税金までが導入され、富裕層に対して最高税率で90%もの高い税金を課したのです。つまり、当時の日本はあの手この手をつかって国民の資産を没収しました。

ちなみに当時の日本の借金は対GDP比約2倍。今は、対GDP比2.5倍ですから、預金封鎖や紙幣切り替えが行われた当時よりも財政状況が悪くなっているのです。

昨年秋に消費税が上がり、消費が冷え込んだところにくわえて、コロナ禍です。国は、特別給付金など、コロナ対策のために25兆円という新たな借金を背負います。これでは一向に借金は減りません。まるで新札発行を狙ったかのようなコロナの発生タイミングに、背筋が寒くなる思いすらします。

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あらゆる事態を想定しての自衛策

これまで見てきたように、世界は常に流動的で何が起っても不思議ではありません。それにくわえて歴史は繰り返すという事実。約100年前に世界を恐怖に陥れたスペイン風邪のように再び新型コロナという感染症が世界を混乱に陥れています。そして、世界経済は停滞し、日本では国の借金がまたもやかさみます。

かつて預金封鎖が行われた時も、国民が全くあずかり知らないところで、計画は極秘裏に進められました。突然の発表に人々は混乱し、翻弄されました。歴史はくり返します。その認識を念頭に、ぜひご自身や家族の財産を守るために備えをしていただきたいと思います。

まずは、ご自身のポートフォリオを見直して下さい。資産は、預貯金や保険、株だけに頼るのではなく、分散して投資すべきです。そして、万が一、新円への切り替えが行われた時の対策として、ぜひ実物資産を保有していただきたいと思います。

実物資産として私がおすすめしたいのは、安定して値上がりが続くアンティークコインです。万が一の際に、国内のみならず海外でも換金が可能、しかも物が小さくポケットに入れてすぐに持ち出しができるコインは、資産防衛のために最も優れた実物資産です。アンティークコインをポートフォリオにぜひくわえてください。 

個別にご相談いただければ、コインのみならず皆様の資産づくりのご相談も承ります。あなた様の大切な資産防衛のために、ぜひ一度お問い合わせいただければと思います。

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【コインコンシェルジュのつぶやき】

新札切り替えで思い出すのは、インドでの混乱です。ほんの3年ほど前、インドでも新札切り替えが行われました。それまで流通していた1000ルピーと500ルピーという高額紙幣を、2000ルピーと新しい500ルピー札に切り替えるというものでした。

この時、インド国内は大混乱に陥りました。まずは突然の発表であったことに加えて、当初発表された交換可能な期限が短く設定されていたこと、さらには一回に交換できる限度が決められていたからです。国民は、期限までに新紙幣に交換できないと自分の資産が紙くずになってしまうという焦燥に駆られ、銀行窓口に殺到しました。

この施策を発表したモディ首相は「国内に蔓延している汚職と脱税を根絶やしにすること」を目的としたと主張しています。しかし、その背景には、自宅で高額紙幣を保管している富裕層の資産を白日のもとにさらす意図があったことは間違いないと思います。このとき、インドでは多額のタンス預金がただの紙切れになってしまったことでしょう。