先日配信させて頂きました英国ロイヤルミントによる「偉大なる彫刻家シリーズ」第3弾「ゴチッククラウン」リマスター版に関するメルマガの緊急配信に対し、かつてないほど数多くのお問い合わせを頂き誠にありがとうございました。
本日は、ゴチッククラウンにまつわる歴史について少し掘り下げてお話させて頂きます。
また、コラムの最後には本日価格が公開されたばかりの注目ラインナップをご案内申し上げます。
ヴィクトリア朝が残した永遠の名作
オリジナルコインが発行された1847年以降、全英国コイン中最も高い評価を受け、愛され続けて来た英国コインの白眉がついにあの英国ロイヤルミントによってリマスターの運びとなるとの一報を受けた時、 一瞬耳を疑う程の興奮を覚えたことを記憶しています。
西洋絵画中一二の人気を誇るルネッサンスの才人レオナルド・ダ・ヴィンチの手による「モナ・リザ」にも匹敵するコイン界最大の傑作肖像を掲げる「ゴチッククラウン」こそは、170有余年の歳月を経て今の世に復刻される正当な価値を併せ持つ屈指の芸術品に違いないからです。
ヴィクトリア朝の香気漂う女王の秀麗な絵姿を支える凛とした空気の源は一体どこにあるのでしょうか。その答えはこのコインに冠せられた「ゴチッククラウン」の通称に隠されています。
ゴチック様式とは中世のヨーロッパに由来する建築・芸術様式として知られていますが、後の世に隆盛期を迎えるルネッサンス様式やバロック様式と比較しますと、 幾分古風な趣を湛えているのも事実です。しかしこの頑なまでの強固なスタイルの統一性こそ英国貨幣屈指の名作「ゴチッククラウン」最大の見どころであり、 随所にちりばめられた同様式を暗示する特徴がコインに風格を与えている事実に到達します。
既に伝説化している感のあるオリジナル表面のヴィクトリア女王の肖像画ですが、 今回のリマスター版第1弾が取り挙げる「リバース・シールド=裏面の盾の紋章」ほどにゴチック様式を彷彿させるものは他に見当たりません。
1707年のイングランドとスコットランドの統合に端を発するイギリス連合王国3国の国章を十字型の盾に刻む独創性溢れる意匠には、 それらの国々の宗主としてのイングランド王位を象徴する宝冠が掲げられています。 そして十字の中央には英国最高位の栄誉であるガーター勲章の徽章が刻まれており、祝祭感の漂う空気を引き締めています。
この度の「リバース・シールド」の満を持してのリリースは、 同時にヴィクトリア女王の悠然たる肖像を描く待望の「オバース・ポートレート=表面の肖像」の解禁がその第2弾として近い将来に迫っていることを暗示しています。
ゴールドとシルバーの質感を最大限活かすプルーフコインとして英国貨幣界の永遠の名作「ゴチッククラウン」が復刻されることを心から喜ぶと共に、21世紀という時代に生きる幸運を噛みしめる思いが致します。 この歴史的リマスター・プロジェクトを実現するに至った英国ロイヤルミントに対し、最大級の讃辞を贈りたいとの思いを新たにした次第であります。
ラインナップ
Line up
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銀貨