HOME ＞ アンティークコイン ＞ 1430-1431 ヘンリー6世 4ペンス銀貨 NGC AU58+ S-1859 Koehlmoos Coll
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一般価格：682,000 円(税込)
会員価格： 620,000 円(税込)イングランドにおける未曾有の動乱期に君臨した悲劇の国王ヘンリー6世
英国王ヘンリー5世とフランス王シャルル6世の王女キャサリン・オブ・ヴァロワの長子として誕生した後の英国王ヘンリー6世。生後9か月にして父王が崩御したため英国王位を継承し、廷臣たちによる摂政政治が行われることになります。幼君ヘンリーの下に忠誠を誓う貴族たちが集結し、国王の名の下に議会が運営されるという特殊な政治形態が誕生し、王が成年に達するまでそれは継続されます。フランス王位を巡る百年戦争は、叔父のベッドフォード公爵の先導によって継続され、評議会の絶大なる権力のさらなる増大に繋がります。母の逝去と共に成年に達したヘンリー6世は親政を開始するものの、寵臣たちの意見の対立によって自身の宮廷内における求心力の低下を免れることは出来ませんでした。フランスとの融和の道を模索する王は、その解決策としてフランス王女マーガレット・オブ・アンジュとの結婚を承諾し、イングランドに一時的な平和をもたらします。しかし、宮廷内における廷臣たちの政争が激化する最中に、ヘンリー2世の治世以降、歴代英国王がフランス国内に所有していたアキテーヌ公領を永久に喪失するという未曽有の事態に見舞われます。この混乱以降、精神錯乱に陥ったヘンリー6世は、その政治基盤を揺るがせ王政の失墜を招きます。また薔薇戦争の勃発を阻止できず、ランカスター家敗退の原因を作ったことが王の治世の継続を一層困難にします。最終的にエドワード4世の指示のもとにロンドン塔に収監された国王ヘンリー6世は、そこで悲劇的な最期を迎えることになります。
教育界への貢献によって英国史上に永遠にその名を刻むヘンリー6世
時に政治的決断力の欠如と妥協によって国王としての資質に対し懐疑的な論評が散見する歴史上のヘンリー6世ですが、他の歴代英国王のそれにも増して、王の治世を代表する功績として教育の推進が挙げられます。ヘンリー6世は、英国史上最高位に君臨する名門パブリックスクール（貴族階級のために設立された全寮制男子寄宿学校）であるイートン校と、ケンブリッジ大学キングスカレッジの設立に尽力し、その功績は両校のその後の発展を窺う限りにおいて顕著です。元々父王ヘンリー5世の時代に着工されたこれらの名門校の建築群の建設は王の治世へと受け継がれ、とりわけイートン校礼拝堂やキングスカレッジ礼拝堂を始めとする歴史的にも重要な建造物の数々は、後期ゴシック様式を基調とする垂直様式の教会建築に修道院と教育機関としてのカレッジが付随する壮麗な教育施設として考案され、王の治世を代表する一大文化事業として保護され、現代に継承されています。毎年ヘンリー6世の命日には、イートン校とキングスカレッジの代表者が王の臨終の地であるロンドン塔のウェイクフィールド・タワーに出向き、白百合と薔薇の花束を手向けることが両校の慣例となっているとのことです。英国が存在し続ける限り存続するであろうこれらの名門校ですが、その学問的成功は偏に生前のヘンリー6世の恩恵に帰するところのものであることは言うまでもありません。
ヘンリー6世の治世初期の隆盛を両面に刻む4ペンス銀貨
ヘンリー6世の治世を代表する貨幣に4ペンス銀貨がありますが、これはグロート銀貨とも呼ばれ、その洗練された意匠と歴史的遺産としての価値によって今も熱烈なアンティークコイン・コレクターの収集対象となっていることで知られています。古くはヨーロッパ大陸の各地で同名のコインの鋳造が行われていた記録が残っていますが、英国におけるグロート貨の導入は13世紀後半のエドワード1世の時代にさかのぼります。それ迄のイングランドでは、フランスで鋳造された銀貨が一般的に流通していたこともあり、このグロート貨の発行が英国貨幣史上初の法定銀貨の幕開けとなりました。エドワード4世によって王座を追われ、1461年に一度政治の表舞台から姿を消すことになるヘンリー6世ですが、1470年には奇跡的に英国王位の奪還に成功したため、王の治世下における貨幣鋳造期間は1461年までの第1期と1470年以降の第2期に分類されます。当4ペンス銀貨＝グロート銀貨は、王の治世の第1期にあたる1430年から1431年の間に鋳造された逸品で、前時代から王の治世へと受け継がれた初期のグロート銀貨の特徴を余すところなく踏襲するものです。コイン表面には正面向きの王の肖像が刻まれており、頭上に戴く大型の王冠もまた特徴的に描かれています。表面の碑文は単純明快な刻印ながらも重厚感溢れるラテン語で記されており、「神の恩寵によるイングランドとフランスの国王ヘンリー」の一文を読み取ることが可能です。裏面のデザインは装飾的に大変凝った内容で、中央には長く引き伸ばされた十字が描かれ、裏面全体を4分割しています。円形の中央には3つの丸から成る独特の文様がバランスよく配置され、その周囲にはシティー・オブ・ロンドンを意味する碑文が刻まれ、さらにその外には「我、神を救済者とする」という意味の荘重なラテン語碑文が刻まれています。ヘンリー6世がおよそ10歳の頃に発行された当銀貨ですが、激動のイングランド中世末期に君臨し、乱世の世を生き抜いた孤高の英国王ヘンリー6世の時代の緊張感みなぎる空気を、21世紀の我々に伝える役目を果たしています。その洗練された15世紀英国銀貨ならではの装飾性は、生前のヘンリー6世の治世と後援者としての教育界に対する貢献を余すところなく表現し、王の国家への献身を恒久化しています。
品番 4734 鑑定番号 
2125766036
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会員価格： 620,000 円(税込)
グレード数 AU 58+ タイプ Koehlmoos Coll 重量 3.85 g 直径 約28ｍｍ 表面 ヘンリー6世肖像 裏側 ロングクロス 発送元 日本国内から発送 -
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