英国を代表するポップアーティストを過去3回にわたって紹介し、世界的評価を得たロイヤルミントによる「ミュージック・レジェンド・シリーズ」。
衝撃の第1弾が 英国の誇り"クイーン"、第2弾が歌心溢れる"エルトン・ジョン"、そして第3弾に稀代のマルチ・アーティスト"デビッド・ボウイ"を選定し、回を追うごとに期待と興奮で世界を騒然とさせたことは記憶に新しく残っています。
音楽ならではの表現力とアーティストの魅力をコインのデザインによって表現しようとするこの多彩な企画は、1000年以上の歴史を誇る英国ロイヤルミントの貨幣制作技術の総力を結集してこそ初めて可能なことと思われます。
そこに描かれたミュージシャンたちの生きざまと同様に、ロイヤルミントによる積極的な創作意欲の賜物であるこの「ミュージック・レジェンド・シリーズ」は、世界中全てのコインと音楽のファンに贈られるべき究極の文化遺産に他なりません。
それぞれが異なった感性の持ち主である過去3回のアーティストたちですが、そのすべてが第2次世界大戦後の英国のミュージックシーンを牽引し、英国の誇り呼んでも過言ではない究極のスターでした。英国は過去に若手を含めて数多くのミュージシャンを育んできました。それらの音楽はアーティストの独自性をアピールするものであったと同時に、時代的背景を伴った英国らしさをエッセンスとして愛され続けて来た英国ならではの感性です。
ロイヤルミントによる「ミュージック・レジェンド・シリーズ」もまた、英国音楽の息吹を伝える伝説的アーティストのみを厳選して取り挙げることに全力を注いでいます。そしてこの排他性こそが、同シリーズの成功の最大の秘訣であり、今後のさらなる展開の原動力となるに違いありません。
そしてこの度、遂に待望の第4弾が幕を開けようとしています。それは1960年代の英国が生んだ伝説のロックバンドで、ビートルズ、ローリング・ストーンズと並ぶロックバンドの一つに数えられる真のレジェンドです。
1950年代後半から1960年代中頃にかけて英国の若者の間で流行したモッズ・ファッションの象徴と目されていたこのバンドは、音楽やファッションのみならず、モッズ・カルチャーの旗手として、ロンドンを中心にその創造性を全世界に発信し続けていました。その後"ロック・オペラ"という新しいジャンルを確立し一世を風靡します。
そのステージは大変個性的で、時にギターやドラムセットを破壊したりする暴力的なパフォーマンスと文学性豊かな歌詞とのギャップによって観客を魅了しました。こうした過激なパフォーマンスは後にセックス・ピストルズを始めとする著名なパンク・ロックのアーティストに大きな影響を与えます。
全盛期であった1970年代に来日が実現しなかったこともあり、日本での知名度はいま一つではありますが、今回の「ミュージック・レジェンド・シリーズ」第4弾として取り挙げられることを機に、コインのデザインとして我が国においても新たな人気を獲得することは時間の問題ではないかと思われます。
日本においても熱狂的ブリティッシュ・ロックファンに支持され続けて来た伝説のバンドを描く輝かしいコインの満を持しての登場です。そしてその神秘のベールは今、正に解き放たれようとしています。
