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コインパレスのコインコンシェルジュブログ

2019.11.19アンティークコイン

【Vol.46グローバルマクロニュース】忘れられた逆イールド現象

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忘れられた逆イールド現象

世界中の金融関係者が、米国債券市場の長短金利差に注目していました。

「していました」と過去形であるのは、日々溢れかえるニュースによって、金利差は既に市場関係者の頭の片隅に追いやられているからです。

ですが、長短金利差は金融市場の発するシグナルの中でも極めて優れたものなのです。

多くの人々が債券市場の発するシグナルを忘れ、金利差に対する注目度が低下している時ほど、そのシグナルが指し示す優位性は強まり、重要度をより帯びることとなります。

2018年に金融市場での流行語となった「逆イールド」と呼ばれる現象は、ごく稀にしか発生しないものです。

特に米国10年債と3か月債の金利差は景気見通しを示唆する重要指標として知られています。

通常、債券市場では、3か月・2年・5年・10年と年限が長くなるにしたがって、債券の利回りは大きくなります。

例えば、3か月債と10年債では、「3か月金利<10年金利」という式が成り立つのが通常です。

なぜなら、3か月に比べて10年では、長い期間に渡って資金が拘束されるのですから、その期間分の上乗せ(プレミア)が付与されるのが当然だからです。

その他にも、年限が長くなるに従い、インフレ率が債券利回りに上乗せされます。

ですが、2018年に発生した逆イールド現象はという通常の理論では説明できない「3か月金利>10年金利」という現象だったのです。

そして、逆イールド現象は景気後退の前触れとされています。それゆえに市場関係者の関心を集め、金融市場で話題となりました。

こうした稀な事象は10年に1回という低頻度でしか発生せず、それだけに信頼性が高いのです。

(C)セントルイス連銀:10年―3か月債スプレッド

過去を振り返ることで3か月・10年金利の逆イールド現象が信頼に足るものであることが分かります。

上図はセントルイス連銀が作成している3か月債・10年債の金利差を示しています。

10年金利が3か月金利より高いでのが通常ですから、図の縦軸は10年債から3か月債の利回りを引き算した数値を示しています。

例えば、10年債利回りが3%で3か月債利回りが2%であれば(順イールド状態)、3%-2%で1%となります。

逆に、10年債利回りが2%で3か月債が3%である場合(逆イールド状態)、2%-3%でマイナス1%となります。

つまり、グラフのマイナス圏では逆イールド現象が発生しており、プラス圏では順イールドが生じていることがわかります。そしてグラフのシャドー部(鼠色の期間)が景気後退期を示しています。

図を見ると、1990年代前半、2000年初頭、2008年にシャドーがかけられており、同期間に景気後退があったことが分かります。

そして、その3回の景気後退の前に長短金利差はマイナス圏に到達したことが分かります。

つまり、逆イールド状態が発生し、それが解消され、順イールドとなってしばらくすると景気後退が発生していたのです。

直近では、2018年に逆イールドが発生し、現在では順イールドとなっていることが分かります(逆イールドの解消)。

過去3回の経験則からすれば、逆イールドの解消から1年ほどの期間を経て、景気後退が生じています。

今後、1年程度の期間の間に世界景気は景気後退局面入りする可能性が高いことが分かります。

現在の米国株は高値を更新しています。ですが、過去に逆イールドが解消されて景気後退入りする前の米国株も景気後退入りの直前のタイミングまで高値を更新していました。

過去3回の景気後退を3回とも的中させた「逆イールド現象の解消」。市場関係者が警戒を怠る今だからこそ、その重要性は増しています。

遅くとも2020年末には、米国をはじめとした世界経済は景気後退入りしている可能性を歴史は示唆しています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。