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コインパレスのコインコンシェルジュブログ

2019.09.25アンティークコイン

【Vol.43グローバルマクロニュース】小さくしか報じられない、大きな出来事

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小さくしか報じられない、大きな出来事

9月17日、米国短期金融市場が動揺しました。「翌日物レポ金利」が2%から10%にまで急上昇したのです。

「翌日物レポ金利」とは、銀行をはじめとした金融機関が安全性の高い債券と交換することで、資金の貸し借りを行う際の金利です。

FRBは緊急措置として、金融調節に踏み切りました。緊急措置の発動は約11年ぶりでリーマンショックにまでさかのぼります。

2%台で落ち着いていた翌日物レポ金利が、10%にまで急騰するというのは、異常事態です。

同金利の急騰が起こるときは、決まって金融システムに不安や綻びが見られる時なのです。

08年のリーマンショックや、16年のドイツショックがそれにあたります。

不吉な短期金利上昇はFRBの緊急措置により緩和されました。

急騰する金利の要因について、様々な解説がなされていますが、本当に原因は誰も知ることができません。

過去の急騰を振り返っても事後的に説明されることがほとんどなのです。

金融システムにジワジワと綻びが生じ、その亀裂の一つのシグナルとして「翌日物レポ金利」の急騰が見られ、その後、危機が起こることは歴史が証明しています。

金利はお金の価値であり、お金の価値が一時的に急上昇するということは、お金=現金の供給が細るか、現金の需要が急速に高まったと考えることができます。

金融危機時に翌日物レポ金利が急騰する背景にもそうした理由が存在しています。

また、今の時期は、米国の四半期ごとの企業の法人税納付のタイミングです。市場の資金が国庫に吸収されることで、資金の供給が細ったことも一因だと考えられます。

また、更に重要なのが「流動性」の概念です。流動性とは、「流れの度合い」という意味で、どれだけスムーズにお金が流れるかを意味します。

例えば、市場に100万円しかお金が流通していない場合、10万円の資金需要があった場合、10%のインパクトを市場に与えることとなります。

これは流動性の低い状態であり、金利の急騰や急落を招きやすいと言えます。

逆に、市場に1,000万円のお金が流通していれば、10万円という金額は市場全体の1%に過ぎません。市場は速やかに1%という比率の資金を吸収することができます。

現在の短期金利市場は流動性が低い状態にあると言えます。なぜなら米国の中央銀行であるFRBがバランスシートの圧縮を進めてきたからです。

バランスシートの圧縮とは、市場に流通したお金を中央銀行が資産を放出することで吸収する、金融引き締めの1種です。

引き締めを行えば、市場に流通する資金が中央銀行に移動し、市場に流通するお金は枯渇します。その結果として流動性が低下、今回のような金利急騰を招くのです。

この度の「翌日物レポ金利」の急騰は、ニュースや新聞では小さくしか取り上げられていません。

ですが、「翌日物レポ金利」は大きな金融システムの綻びの前兆として、優れたカナリアなのです。

小さくしか報じられない出来事の中に、今後の危機の芽が存在しています。

今回の「翌日物レポ金利」の急騰を単純な一時的要因だと決めつけるのは安直かもしれません。