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コインパレスのコインコンシェルジュブログ

2019.06.04アンティークコイン

【グローバルマクロニュースVol.35】米中貿易戦争のなぜ

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米中貿易戦争のなぜ

新時代を迎えた日本。あの人のツイートが世界の金融市場を一気に冷え込ませました。トランプ大統領の貿易戦争再戦線布告です。

トランプ大統領は「中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げる」とツイート、一旦は収まりかけた米中貿易戦争が再燃しました。トランプ大統領はなぜ貿易戦争にこれほどまで躍起になるのでしょうか?主に3つの理由が考えられます。

1つ目は強い米国経済です。日本の連休前に発表された5月4日金曜日の米国雇用統計では失業率は49年超ぶりの低水準である3.6%まで低下しました。これを受けて米国の株価も高値を更新していました。

このような「強い米国経済」という武器が存在するため、貿易戦争の影響で米国経済が多少痛めつけられても引き続き米国は強い経済を維持することができるという考えが背景にあるものと考えられます。一方の中国はズタズタで、景気の体温を示すPMIは好不況の分かれ目である50近辺まで低下しています。

貿易戦争では、中国の打てる手は限られており、ほぼカードを使い切った状態となっています。従って、例え米国が貿易戦争を仕掛けても中国には打つ手がなく、弱った経済がさらに弱まるという悪影響をもろに受けるというのは明白なシナリオとなっています。これがトランプ大統領の強気姿勢を支えています。

2つ目の理由は選挙対策です。米国では上下院がねじれとなっており、大統領が望み通りの法案を通すことは困難な状況となっています。そうした場合、歴代の大統領が狙うのは外交での成果です。内政を思う通りにできない以上、外交で賭けに打って出るしかないのです。

実際、トランプ大統領の貿易戦争発言以降、大統領支持率は上昇しています。米世論調査会社ギャラップが4月17~30日に実施した世論調査によると、トランプ大統領の支持率は同社調査で過去最高の46%となりました。貿易戦争は票になると踏んだトランプ大統領は今後の選挙キャンペーンの一環として貿易戦争を用いることとなったのです。

(C) Gallup, Inc

3つ目の理由が米中の覇権争いです。米国はいつの時代も世界で1番であることを誇りとして、圧倒的ナンバーワンという力を用い、他国にモノを言い、時に実行力を行使し、国益を守ってきました。そのナンバーワンという地位がいま揺らいでいます。

経済力と軍事力、豊富な資源や人口を武器として中国は急成長を続けていました。最近ではアフリカ諸国に資金提供をし、アフリカの国々そのものを担保とした融資を行っており、経済的な側面から国土を広げる動きもみられます。21世紀の戦争は仮想空間で行われ、その仮想戦闘区域であるサイバー空間でも中国の力が強まっています。

急成長中の中国に危機感を抱いた米国はなんとか1位の座を守るために必死になっているのです。

こうした理由からトランプ大統領をはじめとする米国は中国との貿易戦争に躍起になっているのです。問題は経済の域を超えて、政治問題化しています。貿易戦争を経済戦争の枠を超えた覇権争いであると捉えた時、問題はより複雑化し、そして長期化することが容易に想像できます。

長らく続く米中の覇権争いは世界経済にも暗い影を落とすという試算がOECDにより出されています。この問題が、10年という長い拡大局面を経て息切れしつつある世界経済に悪影響となるのは間違いありません。