【グローバルマクロ ニュース Vol.6】米金利高が引き起こすアジア通貨危機のリスク

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米国の金利が上昇ピッチを速めています。

2月には好調な雇用統計を受けて、10年債利回りが3%を突破、米国株式市場の動揺が世界に広がりました。

ただ、2月の10年債利回りの上昇は投機筋の仕掛け的な動きで

30年債などの他の金利は10年債ほど大きな上昇は見せていませんでした。

ですが5月下旬、とうとう30年債利回りが2月の高値を更新しました。

 

そもそも金利には2種類の金利が存在しています。

ひとつは「名目金利」で我々が普段使っている意味での金利です。そしてもうひとつが「実質金利」です。

実質金利はインフレ率を調整した金利で 実質金利=名目金利―期待インフレ率 で表現されます。

つまり、名目金利=実質金利+期待インフレ率と表現できます。

 

今の米国では実質金利の上昇に加えて、地政学リスクによるインフレ率の上昇から、名目金利も上昇しています。

金利上昇の背後にはいくつかの要因が挙げられます。

足元の米国金利高は期待インフレ率が上昇していること、中央銀行であるFRBの利上げ、

そしてFRBの金融緩和縮小による債券需給のタイト化が挙げられます。

どの要因も名目金利が持続的に継続する要因となるもので、今後も名目、実質金利高は継続すると思われます。

そうした時に金融面から苦しむ国が存在します。それが新興国です。

 

新興国はリーマンショック後の景気回復で負債を大量に抱えています。

そしてその大半は基軸通貨である米ドル建てとなっています。

米国金利が上がれば、負債の金利も上がるため、新興国にとっては返済額が膨らむことになるのです。

 

 

こうしたことが原因で発生したのがアジア通貨危機です。

1997年、タイの通貨であるバーツが急落したことにより、アジア経済が混乱へと陥った危機です。

その後日本国内では、山一證券の破綻など、平成不況が訪れました。

 

現在の米国金利上昇は2月に世界の株式市場を急落へと陥れましたが、金利の上昇は依然として続いています。

金利上昇は株式市場の相対的魅力を低下させるだけでなく、新興国に加えて家計負債の多い米国民の財布を直撃する可能性があります。

ひいては実体経済へと悪影響を及ぼします。

こうした金利上昇の悪材料を先読みしてか、金利上昇に脆いはずの金が値を保っています。

この現象はアジア通貨危機のようなリスクを市場が先読みしている可能性を示唆しているのかもしれません。

 

 

混乱にはいつの時代も実物資産が力を発揮します。

アンティークコインは貴金属などの実物資産に加えて、芸術品としての価値を併せ持っており、二重の意味で価値を有しています。

そしてアンティークコインに投資すれば、実物資産市場と芸術品市場の両方に投資することが可能になるのです。

1つのコインで価格相関性のない複数の市場に分散投資できるアンティークコインは今後ますます注目されるでしょう。

 

【グローバルマクロアナリスト サク】

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