誰も知らなかった、騎士道を通して描かれた「ウナとライオン」物語。作品誕生にはあの女王の存在が!

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誰も知らなかった、騎士道を通して描かれた「ウナとライオン」物語

作品誕生には何と、あの女王の存在が!

世界で最も美しい金貨と称される「ウナとライオン」。

デザインの元となった叙事詩「妖精の女王」が作られた背景と

イギリス人も知っているようで知らない「乙女ウナとライオンの物語」のあらすじをご紹介します。

 

エドマンド・スペンサーの叙事詩『妖精の女王』に登場する「ウナとライオン」

「世界で最も美しいコイン」と聞けば「ウナとライオンが描かれた、イギリスの5ポンド金貨」を

思い浮かべる人も多いことでしょう。

 

 

実際に私の回りのイギリス人にこの5ポンドコインを聞いたら

「あ~、知っているよ」と返事が返ってきましたが、

 

『妖精の女王(The Faerie Queene)』って叙事詩を知っている?と聞くとなんと

「知らないな….」と答える人がほとんどでした。

 

『妖精の女王』は、イギリス人の詩人エドマンド・スペンサー作による6巻完結の一大叙事詩で、

1巻「赤十字の騎士の物語」は1590年に初版が出版されています。

画像は作者エドマンド・スペンサーの肖像画

 

この叙事詩は、『神聖・節制・貞節・友情・正義・礼節』の6つの徳が、

アーサー王子と6人の騎士の冒険物語を通して各巻で描かれており、

後に『ナルニア国物語』やゲーム『ドラゴンクエスト』に影響を与えたとする所説もあるようです。

 

このうちの1巻「赤十字の騎士の物語」に「ウナとライオン」の章が登場します。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

 

『妖精の女王』のあらすじとは!?

美しい乙女ウナは、竜の国に囚われた両親を助けてほしいと、妖精の女王グロリアーナに懇願します。

 

女王グロリアーナの命を受けて、ウナと旅をすることになったのは赤十字のある騎士でした。

 

しかし、彼は様々な罠にかかってしまい魔女デュエッサに連れて行かれ、行方知れずとなってしまうのです。

 

ウナは、行方不明となった騎士を探すさなかに森の中で獰猛なライオンで遭遇します。

 

ライオンはウナに飛びかかりますが、彼女の持つ素晴らしい愛らしさに打ちひしがれ、

ライオンが抱えていた全ての怒りの感情は哀れみに変わります。

 

それ以降、ライオンは心細いウナから片時も離れることはなく、

彼女が眠る時には警備をし、起きている時には、いつでも助けられるように努めるのでした。

 

ウナには獰猛なライオンでさえも従順に従えさせるほどの驚くべき魅力がありました。

 

その後、ウナは敵の手に陥りそうになるところでアーサー王子に助けられます。

 

さらにウナとアーサー王子は行方不明だった騎士を巨人の住む場所から救い出し、

騎士を神聖な館へと連れて行きます。騎士はその館で、精神と肉体を鍛え徳高い騎士へと成長すると、

ウナの崇高な祈りに導かれて竜を見事に退治します。

 

 

物語の背景とエリザベス1世の存在

イギリスの中世騎士道や冒険物語としても楽しめますが、

実際には当時のイギリス国の情勢(王室、政治、宗教)が描かれています。

 

妖精の女王の名であるグロリアーナは、

’’Gloria’’ラテン語で’’栄光’’や’’光栄’’を意味しており、

当時の女王エリザベス1世がモデルとなっています。

 

その女王が治世する妖精の国はイギリスであり、

妖精の女王に仕える赤十字の騎士はもちろんイギリス国教会を崇拝する騎士。

 

また、竜や巨人は異教徒であることからカソリック教会を意味し、

魔女デュエッサはスコットランド女王のマリーという設定になっています。

 

なお、作者エドマンドは宮廷での地位が欲しくて、

この叙事詩を女王エリザベス1世のために作りました。

 

しかし、女王の第一秘書であるバーリー男爵と対立してしまい、

当作品の報酬として受け取ったのは、わずか1959年度分の年金のみ

 

このように、『妖精の女王』が作られた当時のイギリスの政治的情勢や宗教問題、

女王エリザベス1世を中心とした王室の事情

さらには作者エドモンドの出世欲などを念頭にして読むと

さらに面白いのではないでしょうか。

 

 

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